ブログ

専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第373回】ファイナンシャル・プランナー
駒﨑 竜が斬る!④

自動車保険と不動産ファイナンス

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒崎です。
今週は、『自動車』のローン購入とカーリースについて情報提供をいたします。

■新車をローンで購入するよりもカーリースの方がお得?

不動産においても、持家VS賃貸のテーマはたくさんありますが、
一戸建ての購入かファミリータイプのアパートに賃貸で入居するかの比較が一般的で、
同じ不動産で比較していませんので、持家に偏るイメージが多いと思います。
例えば、1LDKの新築マンションを購入するか、
そのマンションを投資目的で購入する人から賃貸で借りるといったVSでしたら、
しっかりと比較できそうです。

さて、車の場合は、不動産よりも定期的なメンテナンスや車検、
複数の税金や保険がかかることから、さらに複雑です。
なるべく単純に比較ができるように、
法人で新車を購入するケースで、会計と支出の視点で考えてみます。

まずは会計です。
リース取引には、
資産計上を行うファイナンス・リース取引の所有権移転と所有権移転外がありますが、
一般的なカーリースのイメージであるオペレーティング・リース取引で考えています。
会計処理ですが、カーリースは賃貸借取引処理となり、
支払いするリース料は経費となり、
リース期間4年の満了時に車両の返却を行います。
購入の場合は売買取引処理となり、
支払いが元本+利息、資産計上をして減価償却が6年となります。

次に支出面です。
カーリースのリース料は、
リース期間の車両代とメンテナンス費用(一般的なメンテナンスリースプラン)で
構成されています。
車両代は、リース期間終了後の残価(車両価値)を設定しますので、
例えば、新車時の車両代が400万円で4年後の残価が200万円であれば、
リース期間中の車両代200万円分に対してのリース料になります。
なお、リース料は、車両代に所定の利息を上乗せした金額になります。
メンテナンス費用については、自動車税、定期点検整備、臨時の整備費用、
2年ごとの車検代(重量税、自賠責保険料、24カ月点検整備)、
整備時の代車、バッテリー交換、オイル交換、
タイヤ交換等(リース会社による)が含まれますので、
リース料と自動車の任意保険に加入すれば良いわけです。

購入する場合は、残価設定して返却する残価設定型ローンと車両代全額に対するローンがあります。
社用車ですから、メンテナンス費用もその都度支払いが必要となります。
ただし、リース料に含まれる金利よりも、購入した場合の利息の方が低いのが一般的です。

■メリットとデメリット

カーリースのメンテナンスリースは、車両コストが明確になり、
コストの支払い時期を平準化できることがメリットですが、
リース期間中の解約は中途解約金が発生したり、
走行距離の制限がある点がデメリットです。

購入する場合は、リースよりも金利相当分の支払いが少なくて済みます。
メンテナンスも上手に行えば、費用を抑えることができる可能性があります。
また、返却は不要ですし、
売却する場合は、査定額によっては手元に資金が残る可能性もあります。
デメリットは、車両代とメンテナンス費用が別々のため、
車両コストが不明確ですし、コストの支払いタイミングを平準化できない点です。

お金の損得勘定で考えれば、ローン購入の方が良いと言えます。
しかし、カーリースにもメリットがありますので、
車の使用方法やコストの考え方についてのニーズしだいと言えるのではないでしょうか。

ABOUT ME
駒﨑竜
駒﨑 竜(Komazaki Ryu) 経済力コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー エターナルフィナンシャルグループ(株)  代表取締役 エターナルウェルスマネジメント(株) 代表取締役 一種外務員、貸金業務取扱主任者、 二級FP、損害保険大学、生命保険大学 マネーの達人・週刊ダイヤモンド・価格ドットコム・KINZAI・ 不動産日記(税金の手引き)・税の知識(相続贈与)・ 住宅新法(事業資金調達)・住宅ローンアドバイザー通信など、 専門家としての執筆、監修をしている。
さらに詳しく知りたい方へ