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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第350回】ファイナンシャル・プランナー
駒﨑 竜が斬る!①

令和5年度版 大家さんの「相続・事業承継」

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒崎です。
今月の特集では、大家さんの『相続』をテーマに情報提供をいたします。

●遺産分割の新ルールで不動産オーナーの相続はどうなる?

■遺産分割の新たなルール
遺言書がない場合は、相続人の話し合いで遺産の配分を決めることになりますが、
これを協議分割と言います。

遺産分割の対象となる財産には、
特定の相続人に行っていた生前贈与などは相続財産の前渡しとして取扱いするため、
特定の相続人の特別受益として持戻しをして相続財産に加算して計算をします。

令和5年4月1日施行の民法改正により、
「遺産分割は、相続開始後10年経過したら、特別受益や寄与分を考慮しない」
という新たなルールに改正されました。

これにより、生前贈与などの特別受益がない相続人においては、
遺産分割で10年経過すると取り分が減ることになります。
この改正は、遺産分割が長期間放置されることを防ぐルールとも言えます。

■家庭裁判所が関与する遺産分割
民法改正により、遺産分割が長期間放置されることを防ぐルールとなりましたが、
特別受益のある相続人が遺産分割に故意的に
合意しない可能性も考えておく必要があります。

相続開始後10年経過する前に、家庭裁判所へ遺産分割を請求すれば、
特別受益や寄与分を考慮する従来ルールで行うことができます。

そのため、遺産分割で対立したら早めに家庭裁判所に関与をしてもらいましょう。
特別受益のない相続人だけでも、
家庭裁判所へ遺産分割の請求をすることができます。

家庭裁判所が関与する遺産分割は、法定相続分での公平を重視して行います。
そのため、賃貸経営を引き継ぐ後継者がアパートなどの事業用資産を取得できないなど、
不動産オーナーの相続は、相続人間のバランスに留意が必要です。

■後継者が相続人の中からアパートを取得するには?
家庭裁判所が関与する遺産分割は公平を重視するため、
法定相続分になるように遺産の配分を決めることになります。

しかし、不動産オーナーの資産は不動産に偏っており、
複数の土地にアパートがある場合は同じ価値の不動産は存在しないため、
売却して現金化しなければ公平な相続は難しいのが現状です。

被相続人の意向で賃貸経営を継続させる場合は、
後継者がアパートなどを引き継ぐ必要があります。
そのためには、アパートなどの事業用資産を引き継ぐ代わりに、
他の相続人に対して代償交付金を支払う必要がありますので、
十分な代償交付金の支払財源を準備することが必要です。
家庭裁判所が関与しても、
不動産オーナーの事業承継には調整財源が必須となります。

ABOUT ME
駒﨑竜
エターナルファイナンシャルグループ株式会社。代表取締役 ファイナンシャルプランナー。 中古車販売会社の取締役時代に資金調達・会計・税務など年商50億円の会社経営に携わった後、大手アパート専業デベロッパーにて土地活用の経験を積み2007年に起業。FP個別相談数は1,500世帯。損保・ローン19年、生保15年、投資家経験13年、融資5年、証券・海外投資3年のキャリア。
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