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【第455回】弁護士 関 義之が斬る!     「遺産分割について」 その2

●「遺産分割について」

こんにちは。弁護士の関です。

今月は「遺産分割について」を書いていきます。
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●①相続人の確定
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相続が始まった場合、まずは法定相続人が誰なのかを確定していきます。
遺産分割は法定相続人全員で協議する必要がありますので、
法定相続人を漏れなく確認していく必要があります。
法定相続人は、①血族相続人と、②配偶者相続人の二種類があります。
①血族相続人には順位があり、第1順位が「子」及びその代襲相続人、
第2順位が「直系尊属」(両親、祖父母等)、第3順位が「兄弟姉妹」
及びその代襲相続人となります。
第3順位までいなければ、血族相続人はいないということになります。
②配偶者相続人は、「配偶者」で、常に血族相続人と同順位で相続人となります。

法定相続人は、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本等を遡って調べていくのですが、
特に第3順位になると、被相続人の父母の出生時
(被相続人の父方祖父母及び母方祖父母の除籍謄本又は改製原戸籍謄本等)から
死亡時までの連続した全戸籍謄本が必要になり、調査だけでも時間がかかります。

また養子も相続人になりますが、
被相続人が亡くなる直前に養子縁組をしていたりすると、
そもそもその養子縁組が無効ではないかと争いになることもあります。

また、法定相続人は相続放棄をすることもできますが、
その期限は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」
とされており(民法915条1項本文)、
また、この期限は家庭裁判所への申立てにより伸長することもできるため
(同項但書)、なかなか遺産分割に参加する相続人が確定しない場合もあります。

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●②遺産の範囲の確定
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次に、相続人の調査と並行して、遺産を調査していきます。
承継する被相続人の相続財産は、相続開始時(死亡時)に
被相続人の財産に属した一切の権利義務となっており(民法896条本文)、
財産上の権利・義務であれば、全て包括的に相続の対象となります。
これを包括承継といいます。
ただし、被相続人の一身に専属したもの(同条但書)や祭祀財産
(同法897条)は相続の対象にはなりません。
また、権利だけではなく義務も対象とされていますので、
被相続人が借りていた住宅ローンや連帯保証債務も相続することになります。

遺産の調査ですが、生前から相続人のだれかが把握している場合にはよいですが、
突然亡くなられてしまったような場合には、調査に時間がかかります。
不動産であれば、登記事項証明書(共同担保目録も調査)、
固定資産税の納税通知などから調査します。
預貯金は、預貯金通帳があればわかりますが、
ない場合には、金融機関から取引明細を取り寄せます。
この取引明細の入出金経過から他の遺産が判明することがよくあります。
負債については、預貯金通帳の引き落としや請求書などからわかることがあります。
ただし、連帯保証債務については、会社の経営者であれば、
会社の主債務を確認すればわかりますが、友人等の負債を連帯保証している場合には、
(友人等が支払を滞っていない限り)連帯保証人にすぐに請求がくることもありませんので、
なかなかわかりづらいものです。

なお、遺産の範囲を確定させる際によく争いになるのが、
遺産の状況をよく知っている相続人が、遺産を開示しない場合です。
例えば、被相続人と同居し、財産を全て管理していた長男が、
次男に遺産を開示しないというようなケースです。

ABOUT ME
関 義之
「関&パートナーズ法律事務所 代表弁護士」 平成10年 3月に早稲田大学法学部を卒業し、 その年の10月に司法試験に合格。 1年半の司法修習を経て、平成12年10月から弁護士登録。 平成23年10月から中小企業診断士にも登録。 法人・個人を問わず幅広く紛争に関する相談を受け、 代理人として示談交渉や訴訟等に対応するほか、 契約書の作成・チェック等、 紛争が生じる前の予防法務にも力をいれている。 不動産の賃貸・売買や、 遺言・遺産分割・遺留分など相続に関する相談を、 幅広く受けている。 特に力を入れている分野は、中小企業の事業承継支援。 セミナー経験多数。 詳しくはWebサイト参照  https://seki-partners.com/
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