ブログ

1棟物件投資にはない「修繕積立金システム」 ~分譲マンション投資の魅力~

1棟物件投資にはない「修繕積立金システム」

~分譲マンション投資の魅力~

今回は、一棟物件オーナーが見落としがちな、
分譲マンション投資ならではの強力なシステム
「修繕積立金」について深掘りしていきます。
実は、この修繕積立金システムこそが、分譲マンション投資を
「手間なし・リスクなし」の投資に変える強力な仕組みなのです。

1.修繕積立金とは
修繕積立金とは、マンションの共用部分の
大規模修繕や建て替えに備えて、
区分所有者全員が毎月積み立てるお金のことです。

多くの投資家は「修繕積立金は単なるコスト」と考えがちですが、
これは大きな誤解です。

確かに毎月の支出は増えます。しかし、
一棟物件のオーナーが突発的に負担する
数百万円の修繕費用を考えてみてください。

家賃6万円、修繕積立金8,000円の物件を所有していたとします。
表面的には月々8,000円のマイナスに見えます。
しかし15年間所有する間に、外壁大規模修繕が1回、
エレベーター交換が1回、給排水管更新が1回実施されるとします。
一棟物件なら軽く1,000万円を超える出費です。
ところが区分所有者が支払うのは、
月々8,000円×12ヶ月×15年=144万円のみ。

しかも、この費用は経費計上できるため、
実質的な負担はさらに軽減されます。

2.修繕積立をしない1棟マンションオーナー
国土交通省の調査によると、
計画的に修繕を実施しているオーナーは、
約4割にとどまっており、
また、約2割のオーナーは、
計画修繕を実施していないと回答しており、
民間賃貸住宅における計画修繕の実施が
十分普及していないとのことです。

なぜでしょうか。理由は簡単です。
「今月のキャッシュフローを最大化したい」
という誘惑に勝てないからです。
月10万円の修繕費用を積み立てれば、
年間120万円。これを積み立てずに手元に残せば、
表面的な収支は良く見えます。

しかし、15年後に迫る大規模修繕の際、
2,000万円の一括支出に耐えられるでしょうか。
多くのオーナーは、その時になって慌てて銀行に融資を申し込みますが、
10年程度の融資期間となり、返済額が収支を圧迫します。

結果として、必要最小限の応急処置で済ませ、
物件の資産価値は急速に劣化していきます。
一方、分譲マンションは管理組合という
「強制貯金システム」があるため、オーナーの意志とは関係なく、
確実に修繕費用が積み立てられます。
これこそが、築30年、40年を経ても資産価値を維持できる最大の理由なのです。

3.大規模修繕費用を分担してくれるシステム
分譲マンション最大の魅力は、「規模の経済」が働くことです。
100戸のマンションで外壁修繕に1億円かかるとしましょう。
一棟オーナーなら1億円全額を負担しますが、
区分所有なら100万円で済みます。
しかも、この100万円すら一括で支払う必要はありません。
長期修繕計画に基づいて、15年かけて積み立てていけばよいのです。
さらに、「プロによる相見積もり」の恩恵を受けられることです。

管理組合は通常、
大規模修繕の際に複数の施工業者から見積もりを取り、
住民説明会を開いて最適な業者を選定します。
個人の一棟オーナーでは、
なかなかここまで徹底した業者選定はできません。
結果として、馴染みの業者に言い値で発注することが多く、
割高な修繕費用を支払っているケースが少なくありません。

4.解体費まで面倒をみてくれる?
分譲マンションの修繕積立金は、
最終的な建て替えや解体費用まで想定されているケースが増えています。
つまり、出口戦略まで管理組合にお任せできる可能性があるということです。

一棟物件の場合、RC造のマンションでは解体費用だけで数千万円かかります。
これが分譲マンションであれば、
積み立てたお金でできるのです。
もし足りなかったとしても1戸あたり数百万円程度で済むかもしれません。

5.まとめ
修繕積立金は、単なるコストではありません。
それは「大規模修繕の分割払い」であり、
「プロの修繕マネジメント料」であり、
「規模の経済による割引サービス」であり、
さらには「出口戦略の保険料」でもあるのです。
月々わずか数千円から数万円の支出で、これだけの価値を享受できるのです。

不確実な時代だからこそ、
計画に基づいた修繕積立金システムに任せて
手間なく運営できる分譲マンション投資の価値は、
ますます高まっていくことでしょう。

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
さらに詳しく知りたい方へ