「入居者募集戦略上の家賃設定」
皆さんこんにちは。大家兼不動産屋の廣田です。
家賃設定が賃貸経営にとって重要なのは言うまでもありません。
そこで今回は、入居者募集をするときの家賃設定について前回の続きを書いていきます。
9.家賃相場の把握
家賃の相場を把握する方法を書いていきます。
(1) 賃貸経営支援サイト
大家さん向けのインターネットの支援サイトで家賃相場を調べることができます。
募集広告のデータから算出された、間取り別の家賃相場が掲載されています。
家賃相場の推移や設置されている設備をまとめたものもあり便利です。
賃貸経営支援サイト
HOME‘S見える賃貸経営 /ライフルホームズ
https://toushi.homes.co.jp/owner/
SUUMO賃貸経営サポート / リクルート
https://www.suumo-onr.jp/
(2) 不動産業者からヒアリング
対象物件の付近の不動産業者から、家賃相場をヒアリングします。
具体的には、「この辺の1Kの物件だと家賃はいくらぐらいですか」というように、
対象の物件と類似の物件の家賃相場を聞きます。
当然ですが、不動産業者は、物件の賃貸契約を手掛けているため、
最近の動向を把握しています。
しかし、担当者の主観的な数値となるため、
必ず、複数の業者にヒアリングして金額を補正する必要があります。
(3) 不動産業者へ家賃査定依頼をする
募集する物件が、どのぐらいの家賃で決まるのか、
不動産業者に査定してもらうことも可能です。
相場のヒアリング同様、不動産業者によってバラツキがあるため、
複数社に査定してもらい比較するのがよいと思います。
戸建てや広めの分譲マンションなど、
周辺に類似物件が少ない場合などは、有効な方法だと思います。
家賃査定を依頼するには、連絡先などの個人情報の提供が必要になり、
依頼後不動産業者から営業の連絡があることを覚悟する必要があります。
(4) 募集広告から自分で調査する
スーモ、ホームズ、アットホームなどの募集サイトから、
自分の物件と類似した物件を検索しデータを集め調査します。
家賃と管理費、共益費など毎月支払う金額を足して、
物件の専有面積で割り㎡あたりの単価で、物件ごとの家賃を比較します。
家賃や管理費・共益費の他に、敷金、礼金などの初期費用も調査します。
家賃の㎡あたり単価を基準に並び替えます。
集めたデータと自分の物件の家賃の㎡単価と比較します。
また、家賃の相場は、時間の経過で変化します。
定期的に調査しその地区の家賃の動向を把握しておくと良いと思います。
10.家賃の設定
把握した家賃相場を基準に、具体的に募集家賃を設定していきます。
家賃相場に合わせるのか、相場より上を狙うのか、下を狙うのかは、
大家さん自身の考え方によって決めます。
特に、上を狙うのであれば、周辺の物件より魅力的でないと入居者が決まりにくくなります。
家賃は、立地、築年数、部屋の広さなどによっても多少変わってきます。
例えば、同じ広さ、間取りの部屋でも1階―50,000円、
2階―52,000円というように1階より2階の方が高く設定されます。
一般的な家賃の変化要素を下表にまとめました。
「インターネット無料」、「ペット飼育可」といった、
付加サービスや入居条件も家賃を上げる要素になります。
また、募集する時期が、繁忙期であれば、
少し高めの家賃設定でも入居者が決まる可能性が高くなりますが、
繁忙期を過ぎてしまうと高めの設定だと決まりにくくなります。
募集状況(問合せ数、内見数など)を確認しながら、
柔軟に募集家賃額を調整していきます。
11.まとめ
家賃設定について書いてきました。
家賃設定が、賃貸経営に与える影響が大きいことは言うまでもありません。
しかし、家賃は不動産会社が設定するものと考えている大家さんが少なくないと思います。
もちろん、不動産会社からの家賃設定の提案を聞いて参考にしても良いと思います。
しかし、最終的に家賃を決めるのは大家さん自身だということを認識しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご質問、ご不明点などありましたら、お気軽にお問合せください。