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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第411回】賃貸経営のプロ廣田 裕司が斬る!②

物件のバリューアップ

皆さんこんにちは。大家 兼 不動産屋の廣田です。

前回のつづきになります。

3.各部屋(専有部)のバリューアップ策
物件のバリューアップを図る際、
各部屋(専有部)に対する施策は非常に効果的です。
特に築年数が経過した物件では、
古びた印象を与えないようにすることが重要です。
また、ターゲットとなる入居者が魅力を感じる部屋と、
現状の部屋とのギャップを埋めることがポイントとなります。
各部屋のバリューアップ施策は、
入居者の入れ替え時に行う原状回復工事と
同時に実施するのが理想的です。
具体的な施策をいくつかご紹介します。

(1) 和室から洋室へ改装
和室は、現代のライフスタイルやインテリアとの調和が難しく、
またメンテナンスの手間もかかることから、敬遠されがちです。
そのため、和室を洋室に変更することで、
入居者を呼び込みやすくなります。
特に単身者向けの物件では、洋室が好まれる傾向にあります。
ただし、単に畳を撤去してクッションフロアを貼るだけで、
壁や天井、建具が和室のデザインのままだと、
アンバランスに見えてしまい、逆効果になることがあります。
そのため、床だけでなく部屋全体を洋室に改装する
リフォームが必要になります。

(2) キッチンのバリューアップ
キッチンのバリューアップが重要な施策の一つとなります。
築年数が経過するにつれて、
キッチンは時代遅れの印象や汚れが目立ちやすく、
前の入居者の生活感が残ることがあります。
このような状態では新しい入居者に
敬遠されがちなので改善が必要です。
手軽に行える対策として、
キッチンの表面に化粧シートを貼ることが挙げられます。
これにより、見た目が一新され、清潔感を演出できます。
また、水栓や扉の取っ手を新品に取り換えることも、
キッチン全体の印象を大きく変える手段です。
これに加えて、新しいガスコンロを
設置することも有効です。
予算に余裕がある場合は、
システムキッチンの導入の検討をお勧めします。
システムキッチンはデザイン性と
機能性を兼ね備えており、
現代のライフスタイルに合った
設備を提供することができます。

(3)浴室の改善
キッチン同様、築年数が経過すると、
新しい入居者に敬遠される原因になります。
浴室の壁、床の汚れや鏡の曇りが気になる部分です。
表面の汚れは、表面研磨、
塗装やシート貼りできれいにする方法もあります。
鏡に関しては取り換えが必要あると思います。
鏡を取り換える場合は、
鏡のサイズや設置位置も検討しましょう。
また、シャワーヘッドや混
合水栓の取り換えも有効です。
築後20年以上経過したユニットバスは、
新品との取り換えを視野に入れて検討しましょう。
特に3点ユニットバスは、
入居者から敬遠されるので
改善の必要性が高いと思います。

(4)収納の拡充
収納スペースが少ない物件が多く見られます。
人気のあるウォークインクローゼットは、
スペースの関係で、
新たに設置することが難しいと思います。
壁面に棚を設置するだけでも
収納スペースを増やすことができます。
トイレの水洗タンクの上部は、
収納棚を設置するスペースとしては
有効活用が可能です。

ABOUT ME
廣田裕司
〇空室相談、賃貸経営全般 有限会社丸金商事 取締役 合同会社アップ 代表社員 大学卒業後、メーカーに勤務、主に土木、建築資材営業 生産管理を経験。2001年に妻の実家の賃貸事業をベースに、有限会社丸金商事を設立。同社の取締役に就任し、(当時は兼業)賃貸経営の関わるようになる。2008年に相続により同社代表取締役に就任。翌2009年の会社を退職し専業となる。現在までに3回 新築物件(6棟、27戸)を手がけ、12棟90戸所有。2019年合同会社アップ設立。
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