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Q保険を活用した修繕積立金の積み立てについて、留意点はありますか。

一棟ビルの10 年後20 年後の大規模修繕の資金を生命保険で積みたてることがあると思います。生命保険料控除を受けることができると思いますが、生命保険料控除で計上できる金額は少額で特にメリットがないかと思っていました。しかし将来、修繕時に保険解約をして解約返戻金を修繕費に充当するなどのメリットを生かし加入することを検討しています。何かアドバイス (留意点) などあれば教えてください。

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生命保険での修繕積立ですが、考えられるのは、積立タイプの生命保険か、年金タイプの生命保険が該当するのかと思います。新規で加入すると、各4万円が生命保険料控除の対象になります。解約すると、元本割れしてしまうので、基本的には、10年後、20年後に保険金の受け取りを設定するものがよいかと思います。生命保険を利用した場合のメリットは、保障がついていることです。デメリットは、利回りが低い点です。つまり、運用ということを重視するなら保険ではない方がよいのかと思います。
一棟ビルの修繕積立を10 年から20 年の長期で検討する場合は、投資信託か積立型投資保険が選択肢にあげられます。まず、投資信託の場合は、セゾン投信の資産形成の達人ファンドが人気の高い商品になります。その理由は、購入時の手数料がかからないノーロード型投資信託であり、投資先は外国株式や外国債券を運用先にしているため、安定的に資産形成ができていることにあります。毎月5,000 円以上から積立てをすることができます。次に、積立型投資保険については、日本で営業をしていない保険会社で取扱いをしています。一例をあげると、保険の機能を活用し、万が一の死亡保障がありながら、15 年後の満期金が元本保証されています。投資先はアメリカのS&P500 ですので、アップル社、マイクロソフト、エクソンモービル、ジョンソンエンドジョンソンなどの優良企業ですので、積立金の成長が期待できます。毎月200 米ドルから積立ができて、15 年後に140%のパフォーマンスが最低保証されているため、為替リスクをものともしません。
投資信託の場合は、20 年以上の長期分散投資で高い収益が期待できますので、年金作りには最適ですが、修繕費を支払う際に途中解約すると元本割れリスクが高くなります。積立型投資保険の場合は、10 年以上の解約でしたら元本割れリスクは低く抑えられますし、15 年後に受け取れる金額を予測することができますので、資金計画が立てやすくなります。短期(5~10 年)での積み立てを考えた場合には、6 年満期の積立傷害保険が良いと思います。積立タイプの定期預金と比較すると運用益はさほどかわりませんが、税金面がメリットです。5 年満期であれば、積立火災保険もあります。
これらのように、満期があることで資金計画を再考する機会ができ、賃貸経営の資金繰り見直しを検討することもできます。以上のことを踏まえますと、修繕積立金の積立てについては、賃料収入の一部を複数の金融商品に分散し、満期や解約のタイミングをずらすことが効果的だと言えるでしょう。積立てのリスクは、元本割れという視点だけではなく、目標金額が貯まらない(増えない)リスクもあります。これは、賃貸経営をする上では、とても重要なことです。そして、物価が上昇することを考えた運用を、今後は考えなくてはならないでしょう。
修繕積み立てとしての生命保険の利用は、大きく2つあります。ひとつは、毎月もしくは毎年確実に積み立てていけること、あわせて、テコの効果があるのでオーナーに万一の時も修繕費用の補填ができる。また積立は出来ない!ときにも、払済保険へ変更してテコの効果を保つことが可能です。もちろん、急な入り用にも契約者貸付の利用などで対応出来ます。二つ目として、法人化されていらっしゃる場合、支払保険料を、費用化できるタイプの保険の利用で節税をしながらの積立が可能な場合があります。こちらが利用できれば費用対効果は大きいです。