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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第444回】賃貸経営のプロ廣田 裕司が斬る!③

「管理会社との付き合い方」

前回のつづきになります。

4.良好な関係を構築するためのポイント
管理会社は単なる委託先ではなく、
大家さんにとって大切なパートナーです。
そのためには、日常のやり取りや姿勢に工夫を加え、
信頼関係を築いていくことが重要です。
ここでは、良好な関係を構築するための具体的なポイントを解説します。

連絡手段を工夫する
従来の電話に加えて、SMSやチャット、
メールなど多様なツールを活用しましょう。
これらは「やり取りの記録が残る」、
「写真や文書を添付できる」といったメリットがあり、
“言った 言わない”の行き違いを防げます。
例えば修繕の写真を送ってもらえば現場を見なくても状況が把握できますし、
依頼内容を文書化しておけば後日のトラブル回避につながります。
用途に応じて手段を使い分けることが大切です。

訪問して直接やり取りする
日常のやり取りは、電話、SMS、チャット、
メールで完結しますが、時には直接顔を合わせることも大切です。
大規模修繕やリフォームなどの重要な相談は、
訪問して対面で打ち合わせを行うと意思疎通がスムーズになります。
また、盆暮れや繁忙期にちょっとした手土産を持参するのも有効です。
さらに、担当者だけでなくその上司にも挨拶しておくと関係がより強固になります。
その際、担当者の働きを上司にさりげなく褒めるのは
「上級テクニック」ですが非常に効果的です。

即答する姿勢を大切にする
賃貸経営ではスピードが命です。
特に入居希望者からの問い合わせは一刻を争います。
回答が遅れると、すぐに別の物件に流れてしまい、
機会損失につながります。管理会社からの問い合わせに対しては、
できるだけ早く返答する習慣を持ちましょう。ただし即答=全て「YES」と回答することではありません。
「YES/NO」をはっきりさせ、回答を先延ばしにしないことが大切です。
例えば、家賃交渉に「明日まで待ってください」と答えるのはNGです。
「今回は対応できません」と即答することで、
むしろ入居が決まりやすくなります。

報告・提案に対する反応を忘れない
管理会社から届く送金明細書や定期報告書は、
物件の運営状況を確認する重要な資料です。
精査し、疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。
何もなかったとしても「ありがとうございます」と一言SMSやメールで返すだけで、
管理会社のモチベーションは大きく変わります。
また、募集条件の見直しやリフォーム、
大規模修繕などの提案については、頭ごなしに否定せず、
提案理由をしっかり聞く姿勢が大切です。
却下する場合でも「今回は費用対効果が合わないから」
など理由を説明することで、双方の信頼関係が崩れずに済みます。

このように、日常的な連絡手段の工夫、
定期的な訪問、即答の姿勢、そして報告や提案への誠実な対応が、
管理会社との関係を良好に保つためのポイントです。
これらを実践することで、
管理会社からも「一緒に頑張りたい大家さん」
と思ってもらえる関係性を築くことができます。

ABOUT ME
廣田裕司
〇空室相談、賃貸経営全般 有限会社丸金商事 取締役 合同会社アップ 代表社員 大学卒業後、メーカーに勤務、主に土木、建築資材営業 生産管理を経験。2001年に妻の実家の賃貸事業をベースに、有限会社丸金商事を設立。同社の取締役に就任し、(当時は兼業)賃貸経営の関わるようになる。2008年に相続により同社代表取締役に就任。翌2009年の会社を退職し専業となる。現在までに3回 新築物件(6棟、27戸)を手がけ、12棟90戸所有。2019年合同会社アップ設立。
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