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管理規約が分譲マンション投資の成否を分ける ~分譲マンション投資の魅力~

管理規約が分譲マンション投資の成否を分ける
~分譲マンション投資の魅力~

1.マンションの憲法である管理規約とは
分譲マンション投資を検討する際、
物件の立地や築年数、
利回りといった数字に目が行きがちですが、
実は投資の成否を決定づける書類が「管理規約」です。

管理規約とは、マンション内のルールを定めた基本文書であり、
いわばそのマンションの憲法とも言える存在です。
区分所有法という法律に基づいて作られるこの規約には、
共用部分の使い方から専有部分の利用制限、
管理組合の運営方法まで、
マンション生活のあらゆる場面を規定する内容が網羅されています。

この管理規約を確認せずに投資物件を購入することは、
交通ルールを知らずに車を運転するようなものです。

2.投資家にとって管理規約が生命線となる理由
管理規約が投資判断において運用可能性が大きく変わってきます。

例えば、賃貸に出す際の制限について考えてみましょう。
管理規約によっては「法人契約は不可」といった制限が
設けられている場合があります。

さらに最近では、民泊を全面的に禁止している管理規約も増えています。
これらの制限を事前に把握していなければ、
購入後に思い描いていた運用方法が実現できないという事態に陥ってしまいます。

また、管理規約には専有部分の用途制限も明記されています。
「住宅専用」と定められている場合、事務所利用や店舗利用は認められません。
一方で「事務所使用OK」となっていれば、
住居だけでなく事務所として使いたいという需要にも応えることができ、
賃貸需要の幅が広がります。

3.管理規約から読み取れる管理組合の健全性
管理規約を詳しく分析すると、
そのマンションの管理組合がどれだけ健全に機能しているかも見えてきます。
理事会や総会の運営方法、役員の選出方法などが明確に規定され、
実際にそのルールに則って運営されているマンションは、
住民間のトラブルも少なく、
管理の質が高い傾向にあります。
逆に、管理規約があいまいだったり、
形骸化していたりするマンションでは、
意思決定が滞り、必要な修繕が先送りされるなど、
資産価値の低下につながる問題が発生しやすくなります。
さらに重要なのは、管理規約の改定履歴です。
時代の変化に合わせて柔軟に規約を見直しているマンションは、
将来的な課題にも適切に対応できる可能性が高いと判断できます。

例えば、高齢化が進むマンションで外部の専門家を
役員に迎えられるよう規約を改定しているような事例は、
管理組合の先見性と問題解決能力の表れといえるでしょう。

4.修繕積立金と管理費の使途を左右する管理規約
投資収支に直結する修繕積立金や管理費の運用についても、
管理規約に含まれています。
駐車場使用料や共用部分から得られる収益を修繕積立金として
積み立てることが明記されているか、
修繕積立金の使途が明確に定められているか、
これらの点を確認することで、そのマンションの財務健全性を評価することができます。

管理規約でこれらが曖昧になっているマンションでは、
将来的に大規模修繕の際に資金不足に陥り、
一時金の徴収や借入れが必要になるリスクが高まります。

5.まとめ
管理規約は単なるルールブックではありません。
投資物件としての運用可能性を左右し、
管理組合の健全性を映し出し、将来的な収支を予測する上で欠かせない重要書類です。
管理規約の取得と分析は、
決して省略できない投資プロセスの一部であることを知っておきましょう。

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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