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区分マンション特有の重要事項説明書の読み方(中編) ~分譲マンション投資の魅力~

区分マンション特有の重要事項説明書の読み方(中編)
~分譲マンション投資の魅力~

前編では、区分マンションの重要事項説明書に特有の記載項目のうち、
専有部分と共用部 分の境界、
管理費・修繕積立金、
管理規約・使用細則による用途制限という
3 つのポイン トを確認しました。

1.滞納の承継リスク
区分マンション投資で特に注意が必要なのが、
管理費や修繕積立金の滞納問題です。

一棟 アパートや戸建てにはない、
区分マンション特有のリスクがここにあります。
区分所有法では、管理費・修繕積立金などの規約や
集会決議に基づく債権について、
区分 所有権の上に先取特権が認められています(区分所有法 7 条)。

さらに重要なことに、この債権は「特定承継人」、
つまり物件を新たに取得した人に対しても行使できると規定されています。

平たく言えば、前の所有者が滞納していた管理費や修繕積立金を、
何も知らずに購入した 新しいオーナーが
請求される可能性があるということです。

しかも、滞納額だけでなく
遅延損害金まで含まれ得るという実務的な整理もなされています。

したがって、
重要事項説明書で滞納の有無を確認するだけでは足りません。

「現在の売主に滞納はありません」という記載があったとしても、
過去に発生した滞納が完全に精算されているか
どうかまで確認する必要があります。

管理に係る重要事項調査報告書で滞納額 と
件数を確認し、必要に応じて管理組合へ
直接照会して裏付けをとることが大切です。

2.修繕履歴
維持修繕の実施状況が記録されている場合、
その内容も重要事項として説明の対象になり ます。
修繕履歴は、過去にどのような修繕工事が行われてきたかの記録であり、
建物の 「治療履歴」にあたるものです。

将来の修繕コストを見通す上で、
過去の工事内容と実施時期の把握は欠かせません。

適切なタイミングで適切な工事が行われてきた物件は、
今後も安定した資産価値を維持できる可能性が高いと言えます。

逆に、築年数の割に修繕記録が乏しい物件は、
必要な修繕が先 送りにされている恐れがあり、
管理体制そのものに疑問符がつきます。 修繕履歴は長期修繕計画とセットで確認することがポイントです。

計画に沿って工事が実施されてきたかどうかを照合すれば、
その管理組合が計画どおりに物事を進められる組織かどうかが見えてきます。

また、工事の施工業者や金額にも目を通し、
相場と比べて極端に安い工事がないかを確認しておくと、
手抜き工事のリスクを見抜く手がかりになります。

3.敷地権
区分マンションの重要事項説明書には、
建物の敷地に関する権利の種類と内容が記載され ます。
敷地が所有権なのか借地権(地上権・賃借権)なのか、
そして共有持分の割合(敷地権割合)がどうなっているかという情報です。

敷地が所有権であれば比較的シンプルですが、
借地権の場合は地代の改定リスクや更新料・承諾料の負担が発生する可能性があり、
長期の収支計画に影響します。

特に定期借地権の場合は、
存続期間の満了により建物を取り壊して
土地を返還しなければならない可能性もあるため、
残存期間の確認は必須です。

また、将来的にマンションの建替えや敷地売却を検討する局面では、
敷地権割合が各区分 所有者の交渉力や配分に関わってきます。
登記事項証明書と重要事項説明書の記載、
そして管理規約での敷地利用権の扱いが一致しているかどうかも、
必ず確認しておきたいポイ ントです。

4.まとめ
中編では、区分マンション特有の重要事項説明書の記載項目のうち、
滞納の承継リスク、
修繕履歴、敷地権という3つのポイントを確認しました。
いずれも各区分所有者の立場を左右する重要な情報です。
購入する前にしっかりと確認しておきましょう。

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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