東京の中心で税務を叫ぶ 第218回コラム
相続税対策の王道?
相続税対策の王道
について、お話しします!
こんにちは!
「子供にコツコツ生前贈与しておけば、
相続税が減らせるって聞きました」
賃貸経営をされている大家さんから、
こんなお話をよくうかがいます。
たしかに生前贈与は、
昔からある王道の相続対策のひとつです。
ところが今、
相続税のルールが少しずつ
厳しくなる方向で動いているのを
ご存じでしょうか?
以前のコラムでお伝えした
同族会社の株価評価の60年ぶり改正
(2028年予定)もそのひとつですし、
生前贈与のルールも2024年(令和6年)から
大きく変わりました。
国の方針は明らかに
「相続税対策の駆け込みを抑える」方向です。
今回はその中でも、
今すぐ多くの大家さんに影響する生前贈与のルール変更について、
簡単にお話しします。
知らずに今までと同じ感覚で贈与していると、
「対策したつもりが効いていなかった」
ということになりかねません。
〇そもそも「生前贈与加算」とは?
まず、ルールの前提を簡単に説明します。
生前にお子さんなどへ財産を渡しておけば、
その分だけ相続財産が減り、
相続税も減ります。
これが生前贈与の基本的な考え方です。
ところが、これを無制限に認めると、
「亡くなる直前にあわてて全部贈与すれば相続税ゼロ」
ということもできてしまいますよね。
そこで税務署は、
亡くなる前の一定期間に行った贈与は、
相続財産に戻して相続税を計算するという
ルールを設けています。
これを生前贈与加算といいます。
つまり、
「駆け込みの贈与は、
なかったことにして相続税をかけますよ」
という仕組みですね。
考えてみると当然のルールかもしれません。
〇「3年」から「7年」へ大幅延長
ここが今回のいちばん大事なポイントです。
この生前贈与加算の対象期間が、
・2023年(令和5年)まで → 亡くなる前 3年以内
・2024年(令和6年)から → 亡くなる前 7年以内
と、3年から7年へ、なんと4年も延長されたんです。
たとえば、毎年お子さんに110万円ずつ贈与していたとします。
これまでは「亡くなる3年前まで」
の贈与が相続財産に戻されていました。
でもこれからは「7年前まで」の贈与が戻されることになります。
つまり、早めに始めないと、
せっかくの贈与が相続税の計算に
取り込まれてしまうわけです。
〇延長された4年分には「100万円控除」も
ただし、少しだけ救済措置もあります。
延長された4年分(4~7年前の贈与)については、
合計で100万円までは相続財産に戻さなくてよい、
とされています。
とはいえ、4年分まとめて100万円ですから、
決して大きな控除ではありません。
基本的には「対象期間が長くなった=早めの対策がより大切になった」と
考えておくのが安全です。
〇大事なのは「早めに、計画的に」
このルール変更が伝えているメッセージはシンプルです。
相続対策は、早く始めた人ほど有利になるということです。
冒頭でも触れた株価評価の改正も含めて、
相続税まわりの制度は今後さらに厳しくなる流れです。
亡くなる直前にあわてて動いても、
7年以内の贈与は相続財産に戻されてしまいます。
逆に、元気なうちから計画的にコツコツ進めておけば、
この加算の影響を受けずに、しっかり財産を渡していけます。
相続対策に「早すぎる」ということはありません。
賃貸物件という大切な財産を、慌てず、
無理なく、次の世代へバトンタッチしていきたいですね。
1. 生前贈与加算とは
「亡くなる前の一定期間の贈与を相続財産に戻す」ルール
2.その対象期間が、
2024年から「3年以内」→「7年以内」へ大幅延長された
3.株価評価改正(2028年予定)など、
相続税対策の駆け込みを抑える流れが続いている
4.駆け込みでは効きにくい。
早く始めた人ほど有利になる
大野税理士の他のブログはこちらから
楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。





