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「代表なのに非常勤」って、できるんですか?

東京の中心で税務を叫ぶ 第223回コラム

大家さん
大家さん

「代表なのに非常勤」って、できるんですか?

大野
大野
今回は
「代表なのに非常勤」って、できるんですか?
についてお話しします!

こんにちは!

法人を作った大家さん、
そしてこれから資産管理法人を
考えている大家さんから、
こんなご相談をいただくことがあります。

「本業があるので、
法人の代表は”非常勤”にしておきたいんです」

「代表を非常勤扱いにすれば、
社会保険料を払わずに済みますよね?」

お気持ちは、とてもよくわかります。
できることなら、負担は軽くしたいですよね!

でも実はこれ、
思ったようにはいかないことが多いんです。
今日は「代表者は非常勤にできるのか?」
というお話をしていきたいと思います。

まず、意外に思われるかもしれませんが……
会社法には「常勤役員」「非常勤役員」という区分の、
はっきりした定義がほとんどないんです。

「え、非常勤役員って
法律で決まっているんじゃないの?」
と思われた方、多いのではないでしょうか?
ところが、
会社法が「常勤でなければならない」と定めているのは、
監査役会を置く会社の”常勤監査役”くらい。
取締役や代表取締役に
「常勤でなければならない」
というルールはありません。

ということは、
理屈のうえでは
「非常勤の代表取締役」という肩書き自体は、
ありえます。
登記簿(会社の情報を公に記録した帳簿)にも、
常勤・非常勤の別は載らず、
ただ「代表取締役」と書かれるだけです。

じゃあ非常勤にできるじゃないか、
と思いますよね。ここからが本題です。

問題は、
税務署や年金事務所が
“肩書き”
で判断してくれないことなんです。

税金の世界には「実質主義」
という考え方があります。
これは、書類上の名前や肩書きがどうであれ、
“実際にどうなっているか”で判断しますよ、
という原則です。
考えてみると当然ですよね?
肩書きだけで税金が変わってしまったら、
みんな都合のいい肩書きを
つけてしまいますから。

ここで、
代表取締役という立場を思い出してみてください。
代表取締役は、会社を代表して、
経営の最終的な判断をする人です。
いわば、会社の”顔”であり”司令塔”です。

その司令塔が
「実態としてはほとんど関与していない非常勤です」
というのは……ちょっと無理がありますよね?
役割そのものと、
非常勤という実態が、
そもそも噛み合いにくいのです。

たとえば、

Aさんは、本業がサラリーマン
(そちらで社会保険に入っています)。
資産管理法人を作って自分が代表になり、
法人からも役員報酬を月30万円受け取ることにしました。
「本業で社保に入っているし、
法人の代表は非常勤だから、
法人では社保に入らなくていいよね」
と考えました。

ところが、これはなかなか通りません。
報酬を受け取っている代表取締役は、
勤務日数が少なくても、
原則として社会保険(健康保険・厚生年金)
の加入対象とされやすいのです。
年金事務所は、
日数だけでなく”経営にどれだけ関与しているか”も見ます。
代表という中心的な立場である以上、
「非常勤だから」の一言では免れにくい、
というわけですね。

では、代表は絶対に負担が重くなるのか?
というと、そうでもありません。

ポイントは”実態に合わせる”ことです。
たとえば、代表であっても報酬を受け取らない
(無報酬)のであれば、
そもそも社会保険料の計算のもとになる
報酬がありませんので、
加入の問題は生じません。

どんな形がいちばん合うかは
ケースごとに違いますので、
実際の設計は顧問税理士など
専門家と相談しながら進めてください。

まとめ

①会社法には「常勤/非常勤」の
 はっきりした定義はほとんどなく、
 肩書きだけでどうにかなるものではありません。
②税務署も年金事務所も、
肩書きではなく”実質”で判断します。
③報酬を受け取る代表取締役は、
勤務日数が少なくても、
原則として社会保険の加入対象になります。

 

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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