~分譲マンション投資の魅力~
前回は、住みやすさというプラスの面から
周辺環境を見ました。
学校やスーパー、
公園といった暮らしのインフラが、
その街で家族が長く暮らせるかどうかを
教えてくれるという話でした。
今回は、その裏側です。
周辺環境には、
見落とされがちなリスクも潜んでいます。
やっかいなのは、
これらのリスクが資料に「危険」と
書かれているわけではない、
いう点です。
ハザードマップや図面をいくら眺めても、
その怖さは数字や記号の向こうにとどまっています。
ところが現地に立つと、話は変わります。
目の前に川があり、坂があり、
墓地がある。
その光景を前にして初めて、
本当にここにお金を投じて
大丈夫かという問いが、
自分ごととして迫ってきます。
現地は、リスクに覚悟を定める場でもあるのです。
そして多くのリスクは、
正しく向き合えば、
闇雲に避けなくても付き合っていけます。
1.水害リスクは、階数で向き合う
まず気をつけたいのが、水害です。
川の近くや低地は、
氾濫や浸水の可能性がゼロではありません。
ハザードマップで事前に調べられますが、
現地に立って川面の近さを見ると、
その実感はまるで違います。
ただ、可能性があるからといって、
すべてを見送る必要はありません。
鍵になるのは階数です。
仮に浸水が起きても、
被害が及びやすいのは一階や低層階です。
上の階を選べば、
水害のリスクは大きく下げられます。
川やハザードが気になる立地では、
低層階は避け、上階を選ぶ。
とりわけ初心者のうちは、
低層階には手を出さないと
決めておくのが無難です。
危険だから全部だめ、
ではなく、
階数で折り合いをつける。
これが現実的な向き合い方です。
2.坂の街に潜む、擁壁という盲点
坂の多い街には、
も見落とされやすいリスクが
潜んでいます。擁壁です。
擁壁とは、
高低差のある土地を支えるために
築かれた壁のことです。
横浜や川崎のように起伏の激しい街では、
いたるところで目にします。
この擁壁は、古くなると
改修や造り直しが必要になり、
その費用は非常に高額です。
マンションであれば、
その負担は最終的に区分所有者に回ってきます。
目安として、
築二十五年を超えたあたりからは
意識しておきたいところです。
段差や擁壁は、
現地に行けば必ず視界に入ります。
図面だけを見ていては気づけない、
思わぬ大きな出費の芽。
それを自分の目で確かめておくことが、
後々の安心につながります。
3.忌み地は、見え方と許容で判断する
三つ目は、いわゆる忌み地です。
不動産の世界では、
忌み地は嫌悪施設として整理されます。
墓地や火葬場が代表格ですが、
それだけではありません。
ゴミ処理場や下水処理場、
工場、パチンコ店や風俗店、
暴力団事務所なども含まれます。
意外な盲点として、
救急車のサイレンが絶えない大きな病院も、
人によっては敬遠の対象になります。
こうした施設が近くにあると、
物件の価格に影響することがあります。
ただし、その度合いには幅があります。
たとえば墓地の場合、
日常生活で目に入らない程度であれば、
価格への影響はほとんどありません。
一方で、窓の正面や眺望の中に
墓地が広がるような立地では、
一割から二割ほど価値が
下がることもあります。
ここで、マンションならではの
視点が効いてきます。
戸建てと違い、
上の階を選べば、
ベランダに出ないかぎり墓地は見えない、
ということも多いのです。
眺望に入り込まなければ、
影響はぐっと小さくなります。
むしろ、墓地や霊園の隣は、
将来にわたって競合となる建物が建ちにくく
、日当たりや静けさが守られるという、
逆手に取れる面すらあります。
とはいえ、在宅時間の長い方や
子育て世帯には敬遠されやすいのも事実です。
入居者が付くかどうかに
直結する以上、
軽く見ることはできません。
結局のところ、
忌み地は数字で機械的に
切り捨てるものではありません。
その立地を、入居者が受け入れてくれるか。
五年後に、次の入居者を入れ、
あるいは売ることができるか。
現地で自分の目で見て、
その家賃差を許容できるかどうか。
そこで判断することになります。
4.まとめ
見落とされがちなリスクは、
いずれも、ある・なしで
切り捨てるものばかりではありません。
大切なのは、現地に立ち、
そのリスクを自分ごととして
受け止めることです。
ハザードマップも図面も、
あくまで索引にすぎません。
覚悟を定める答えは
地の実感の中にしかないのです。



