東京の中心で税務を叫ぶ 第227回コラム
赤字でも債務超過を解消する方法は?
赤字でも債務超過を解消する方法は?
についてお話しします!
こんにちは!
「決算が債務超過になってしまって、
銀行から新しい融資は難しいと言われました。
でも、赤字がすぐ黒字になるわけでもないし……もうお手上げでしょうか?」
先日、大家さんからこんなご相談をいただきました。
赤字が続くと会社の純資産がマイナスになり、
「債務超過」という状態に陥ることがあります。
今回は、赤字のままでもこの債務超過を解消できる方法を、
一つご紹介します。
まず「債務超過」とは何か、
簡単におさらいします。
会社が持っている財産(資産)よりも、
返すべき借金(負債)の方が多い状態のことです。
差し引きの純資産がマイナスになっている、
いわば「全部売っても借金を返しきれない」状態ですね。
銀行はこの状態をとても嫌うので、
融資のハードルがぐっと上がってしまいます。
本来、債務超過を解消する王道は、
利益を出して純資産(会社自身のお金)を増やしていくことです。
とはいえ、赤字がすぐに黒字へ変わるわけではありませんよね。
そこで、利益を増やすのがどうしても難しいときの
“次善の一手”
として着目したいのが「
役員借入金(やくいんかりいれきん)」です。
役員借入金とは、社長が自分の会社に貸したお金のことです。
会社の資金が足りないときに、
社長が個人のお金を立て替える
——大家さんの会社ではよくあることですよね。
この役員借入金は、
決算書の上では「負債(借金)」に分類されます。
ところが、この借金は少し特別です。
貸している相手は、ほかならぬ社長自身です。
返済を急ぐ必要もなければ、
銀行のように「早く返せ」と迫ってくることもありません。
実質的には、社長が会社に入れた自分のお金、
つまり自己資本とほとんど同じなんです。
そこで銀行によっては、
審査のときに役員借入金を
「実質的な自己資本」
とみなして評価してくれることがあります。
数字で見てみましょう。
たとえばAさんの会社。
資産が3,000万円、負債が3,500万円で、
純資産は△500万円の債務超過です。
ところが、この負債3,500万円の中には、
Aさんが会社に貸した役員借入金が800万円含まれていました。
この800万円を自己資本とみなすと、
実質的な純資産は
「△500万円+800万円=+300万円」。
つまり、帳簿の上では債務超過でも、
実質的には債務超過ではない、
と説明できるわけです。
大切なのは、この事実を自分の言葉で銀行にきちんと伝えることです。
ひとつのコツは、貸借対照表の負債の欄で、
役員借入金をほかの借入金ときちんと区別して
「役員借入金」と明記しておくことです。
そのうえで「この役員借入金は返済を求めるものではなく、
実質的な自己資本です」と説明資料を添えれば、
評価が変わる可能性は十分にあります。
ただし、忘れないでいただきたいことがあります。
これはあくまで「見え方」を正す方法であって、
赤字そのものが消えたわけではありません。
本当のゴールは、赤字を止めて、
手元にお金(手残り)が残る経営に立て直すことです。
役員借入金でしのいでいる間に、
収支の改善に取り組むことが何より大切です。
- 債務超過とは、資産より負債が多く、
純資産がマイナスになった状態です。銀行がもっとも嫌います - 社長が会社に貸した「役員借入金」は、
銀行によっては実質的な自己資本とみなしてもらえます。
貸借対照表で他の借入金と区別して明記し、
返済を求めない旨を説明資料で伝えるのがコツです
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。





