東京の中心で税務を叫ぶ 第235回コラム
そもそも「土地重課」って何?
についてお話しします!
こんにちは!
最近、「マンション価格が高すぎる」というニュースをよく目にしませんか?
そんな中、価格の高騰を抑えるために
「短期で売買する人への課税を強くしよう」
という議論が自民党で出ているそうです。
そこで出てきたのが「土地重課(とちじゅうか)」
という言葉です。
聞き慣れない言葉ですよね!
今回は、
そもそも土地重課とは何なのかをやさしく解説します。
土地重課とは、
土地を買ってから短い期間で売って儲けた場合に、
通常の税金に「上乗せ」して税金をかける制度です。
「重課」は文字どおり、
重く課税するという意味ですね。
例えば法人の場合、
今は売却益に通常の法人税がかかるだけです。
ところが土地重課があると、
所有期間5年以下の土地なら売却益の10%、
5年超でも5%が追加でかかります。
実はこの制度、50年以上前からあるんです。
生まれたのは昭和48年(1973年)。
田中角栄首相の「日本列島改造論」
をきっかけに土地ブームが起き、
地価が急騰した時代です。
土地を右から左へ売って儲ける
「土地転がし」を抑えるために作られました。
その後バブルが崩壊し、
地価は長く下がり続けます。
そこで平成10年(1998年)から「凍結」、
つまり法律は残したまま適用を止めている状態になりました。
約30年眠っていた制度が、
地価の上昇で再び目を覚まそうとしているわけですね。
では、大家さんには関係あるのでしょうか?
ここが大事なポイントです。
個人の大家さんが賃貸物件を売った場合は
「譲渡所得」という区分になります。
過去の土地重課のうち個人向けのものは、
不動産業者のように土地の
売買を商売にしている人が対象でした。
ですから、過去と同じ仕組みなら、
個人の大家さんが直接影響を
受けることは少ないと考えられます。
ちなみに個人の場合、
すでに「5年以下で売ると税率は約39%、
5年超なら約20%」と、
約2倍の差がついています。
短く持って売るほど税金が重いのは、
考えてみると当然ですよね?
国としては投機的な売買を抑えたいわけですから。
一方、注意したいのが法人化している大家さんです。
法人には今、個人のような「短期・長期」の区別がありません。
例えば、A社とB社がそれぞれ土地付きの物件を売って、
1,000万円の売却益が出たとします。
A社は3年で売却、B社は10年持ってから売却。
今はどちらも同じ法人税ですが、
重課が復活すると、
A社は100万円、B社は50万円の税金が
上乗せされることになります。
ただし、まだ検討の段階です。
12月に発表される「税制改正大綱」
(翌年の税金のルール変更をまとめた計画書)に
盛り込まれるかどうか、
そして対象が誰になるのかに注目です。
最後に、私がお伝えしたいのは
「税金で売り時を決めない」ということです。
重課を避けるために売り時を逃したり、
慌てて駆け込みで売ったりしては本末転倒です。
大切なのは、売却代金から残債や税金を引いて
「いくら手元に残るか」で判断することです。
そして、物件を長く持って育てていく経営なら、
そもそも短期売買への重課はほとんど関係ありません。
長期保有こそが、
一番の「重課対策」なのかもしれませんね。
①土地重課は、短期で売った土地の儲けに税金を上乗せする制度で、1998年から凍結中
②12月の税制改正大綱で復活するかに注目。法人化している大家さんは所有期間の確認を
➂税金ではなく「手残り」で売却を判断し、長く持って育てる経営を
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。





