すべての大家さんに必ず実行してほしい、塀の点検・補修③
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
今回のコラムでは、『すべての大家さんに必ず実行してほしい、塀の点検・補修
『身の回りの塀の種類・基準』、『塀の点検方法』とご説明して参りました。
今回は、『塀の補強方法』についてご紹介致します。
塀の点検結果が不適合だった場合の対応は?
さて、皆さん所有のアパート・マンションにある塀の点検結果はいかがでしたでしょうか。
高さは基準以下でしたでしょうか。
また、塀の厚さは基準以上でしたでしょうか。
点検の結果、適合していた塀は、現在のところ問題ない可能性がございます。
では、適合していない場合は今後どうしたらよいのでしょうか。
対応方法は大きく3つになるかと思われます。
① 【塀を解体の上、再建設】
◎ 現在の基準に沿った安全性の確保ができます。
× 工事の際、隣地の方の敷地内からの作業が必要となる場合があります。
② 【塀の高さを下げる改修工事】
○ 現在の基準に一部沿った安全性の確保ができます。
△ 傾いていたり、破損している等、改修工事が不可能な場合もあります。
× 外部からの視認性・防犯性に影響があります。
③ 【補強工事】
◎ 施主様の敷地内にて工事が完結します。
△ 塀の外観に大きく影響があります。
△ 工法により再建設の方が安価となる場合があります。
△ 傾いていたり、破損している等、改修工事が不可能な場合もあります。
× 一定期間後、再度改修が必要になる可能性があります。
【再建設】は理想的ですが、最大の障害は隣地対策と言えるかもしれません。
塀が越境している、共有の塀である、土留めに使っている等、解体・再建設が容易でない場合が多々あります。
その点、【補強工事】はコスト高になる可能性もありますが、施主様の敷地内で完結できるメリットがあるため、【補強工事】を選択する方も多いようです。
続いて、【補強工事】の一般的な工法を2つご紹介致します。
【工法参考例】
①控壁による補強方法
②鋼柱による補強方法(応急的な補強方法)
※約3年後には再度検討が必要です。
※世田谷区補強方法令 参照
②は最も一般的な方法ではございますが、あくまで応急的な方法と
先の地震の影響で、塀の補強を勧める業者様も多いかもしれませ
次回の配信では、各自治体で設けている『塀の補強、撤去に伴う助