4月に入り、名古屋も桜の綺麗な時期になりました。
自宅の横に桜並木があり、毎朝ウォーキングしながら散りゆく桜を眺めているのが楽しいです。
今週は2月ごろから予定が入っていた税務調査で2日間、顧問先の会社に缶詰でした。
利益を大きく伸ばしてみえる顧問先さんでしたが、大きな問題もなく終結しそうで、よろしかったです。
さて今回は、先回の「確定申告がおわったら銀行さんたちへ報告をしよう!」
を受けて「銀行には何を報告すると良いか①-銀行という組織について」
をかきたいと思います。
私は母や親族が元・銀行員・銀行系列で働いていまして、
たまにどのような仕事をしていたか聞いて育ったせいか、
思考が銀行員さんに近い部分があります。
また、税理士になる前や、なってから顧問先の方の融資交渉の場に立つこともあり
銀行について一生懸命お役に立てるよう勉強しておりました。
その中からポイントを3部に分けてお話ししたいと思います。
今回はポイント①として―銀行という組織について―かきます。
銀行は、大家さんにとって身近なビジネス・パートナーです。
パートナーではあるのですが、地域でお金に関して多くの情報を持っています。
バブルの時代には過剰な融資を受けて、破産する方もみえたり、
リーマン・ショックの時には貸し剥がし(貸りたお金の返済を求められた)、
貸し渋り(なかなか貸してもらえなかった)にあい、苦い目をみた方もみえます。
先年から起きている、「かぼちゃの馬車」「スルガ銀行問題」を報道で
ご存知の方も多いと思います。
銀行という、多くの情報を持った組織が質の悪い業者と結託すれば詐欺まがいの行為もなしえてしまうという身近な実例があります。
銀行のマイナスの面を、まず書きましたが、事業に対するプラスの面も多く存在します。
10年ほど前から増えた、サラリーマン大家さんは自分たちの年金などの不安から
勇気と責任を持って、大家業に乗り出し、銀行さんを味方につけて大きな成功を収めた方もたくさんみえます。
サラリーマン大家さんにとって、銀行さんの積極的な融資がなかったら
安くても1棟3千万円。高ければ1億~2億円もざらの土地と共同住宅の建物を、
サラリーマンの方は自己資金で買えなかったと思います。
(現状は金融庁の指導で、サラリーマン大家さんへの融資は非常に厳しいです)
また、大家さんは銀行さんにとって、上客になります。
銀行の本業は、「金貸し」です。
お金を多く貸し付けて利息をもらうのが仕事です。
決して、「普通預金・定期預金を預けてもらう」のが本業ではないのです。
地域の企業に貸し付けて、その企業が成長していき利息を払ってもらうのが仕事です。
ただ、現在の日本は企業の成長が飽和状態に達して、貸し付ける企業が少なくなっています。
そんな時にお金を借りてもらいやすいのが、不動産賃貸業=大家さんです。
不動産賃貸業には、多額の初期設備費用がかかりますが、
「満室経営」になり、安定すれば、借入金の返済は十分可能です。
また、銀行がお金を貸す場合に、保証となる、
担保(土地・建物に抵当権をつけること)もあります。
リスクも少なく、多額に貸し付けれる大家さんは、
銀行にとって上位のお客様になると思ってください。
ですので、マイナスの面・プラスの面を天秤にかけながら、相手を理解して
油断せず誠実に銀行という組織と、上手にお付き合いしていただきたいというのが
私からのポイント①のアドバイスになります。
【ポイント②・③につづく】
まとめ
・銀行という組織は多くの情報を持って油断して付き合うと足元をすくわれる場合がある
・銀行の融資は大家さんにとって大切なものになる
・銀行の本業は「金貸し」であり、大家さんはその中で上客になる
・マイナス面・プラス面をよく考え、油断せず誠実に銀行という組織を理解して付き合うのが銀行交渉の基本である