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渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第四十九回
「コロナによる家賃の減免を損金算入。節税になるの?」

新聞などで、新型コロナウィルス感染症の影響によりテナントの賃料を減免した場合に税務上の損金算入ができるとあります。

家賃減免すれば節税になるの?と思ってしまうことでしょう。

しかし、気を付けなければなりません。

結論から申し上げると、節税にはなりません。
減免分には、税金をかけません(寄付金にはならない)という意味です。

1.法人の場合

法人の場合、営利の追求が存在目的となるため、
取引先などに売掛金を免除したときは、合理的な理由がない場合には、原則と
して相手方に対して寄付金を支出したものとして取り扱うことになっています。

【何もなく30万円の家賃を10万円家賃減額した場合】

(現金) 20万円   / (家賃収入)20万円
(寄付金)10万円   / (家賃収入)10万円

家賃収入が20万円ではなく、当初の30万円計上しなければならないことがポイントです。

そして減額した10万円は、寄付金として(一部※)損金不算入(経費として認めない)となります。

つまり、売上30万円-経費19,375円(※の例の場合)=約28万円に税金がかかることになります。

※(一般の)寄付金の損金限度額

(資本金×0.25%+所得×2.5%)×1/4の金額だけ損金として認められます。

(例)資本金100万円、所得300万円の場合
(100万円×0.25%+300万円×2.5%)×1/4=19,375円

 

【災害(コロナ)等により30万円の家賃を10万円家賃減額した場合】

(現金)  20万円 / (家賃収入)20万円
(貸倒損失)10万円 / (家賃収入)10万円

寄付金にならず、損金(貸倒損失)になるため、
家賃収入30万円には税金がかからないことになります。

売上30万円-経費10万円=20万円だけに税金がかかることになります。

そもそも家賃受け取っていないのだから、そこに税金をかけること自体がおかしいと思うのが一般的な考えでしょう。

しかし、法人税の世界では、理由なく家賃を減額したら、そこに税金をかけることになっています。

コロナによる家賃減額であれば、そこには税金をかけないということを確認しているにすぎません。

大家さんの税金がこれによって大きく減額されるという話ではありませんのでご注意ください。

なお、会計上は、売上は減少していませんが(減額分は経費になるだけ)、減少したとして、納税猶予(売上が20%減少した場合の措置)や固定資産税の減免(売上が30%以上減少した場合の措置)の適用が受けられることになっています。

ちなみに、賃借人の処理は

(支払家賃)20万円 / (現金)   20万円
(支払家賃)10万円 / (債務免除益)10万円

経費(支払家賃)30万円-収入(債務免除益)10万円=20万円が経費計上できることになります。

1.個人の場合

個人の場合は、営利の追求が存在目的となっていません。
個人には寄付金という概念はありません。
家賃を減額したとしても、減額した家賃を計上すればよいことになります。

【災害(コロナ)等により30万円の家賃を10万円家賃減額した場合】

(現金)20万円  / (家賃収入)20万円

ただし、理由なく家賃を減額した場合には、10万円分が賃借人に対する贈与となる可能性があります。
コロナによる家賃減免の場合は、法人の取り扱いに準じて、贈与にしない取り扱いになると思われます。

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まとめ

・コロナによる家賃の減免を損金算入できるが、節税になるわけではない

・寄付金になると大部分が経費にならない

・個人には寄付金という概念はないため、基本的には減額した家賃を計上すればよい

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渡邊浩滋
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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