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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第101回】
不動産鑑定士×一級建築士 田口 陽一が斬る!②

~2020年からの不動産投資戦略~

こんにちは!
一級建築士・不動産鑑定士の田口です。

これからの不動産投資、どうなるでしょうか?

今の不動産価格は高い?天井?踊り場?
融資状況が変わった?下落が始まっている?そうでもない?

どうなるでしょうか。今後の不動産市場。

正直な話、こればっかりは、誰にも分らないよね。
分かったらみんな金持ちだよね。
もし分かっても、みんな真似するから教えてくれるはずないよね。
じゃあどうすればいいのよ。

ということで、今のような過渡期のマーケット環境で
今後の不動産投資戦略を考えてみたいと思います。

ズバリ、今回4つの戦略をお教えしたいと思います。

今週は其の2。

再開発エリアを狙う 

今の不動産価格のトレンドだけ見ないで下さい。

不動産への投資は、数か月で結果を出すものではないですよね?
短期投資であれば、REITでもいい。
実物不動産への投資であれば、
不動産市場を鳥の目で眺めて選別するべきです。

長期的に俯瞰して資産価値の向上が見込める物件に投資できれば、
投資として成り立つはずです。

人口減少や高齢化といった時代の変化を受け止め、
平均的に地価が下落するかもしれない中でも、
個別的に資産価値の維持・向上が見込める物件。

平均ではなく、個別を見ましょう。

有力な選択肢は、「再開発エリア」だと思いませんか?

既に決まっている再開発エリアの中、周辺。
そして、将来の再開発の胎動が感じられる場所。

また、交通インフラにも着目してみてもいいかもしれませんね。
新線や新駅の計画、既存駅の改修計画など。

当たり前?と思いましたか?
そうですね、当たり前です。

でも実践できている投資家は少ないです。

なぜなのか・・・・・・

今後、地価公示や路線価など、不動産価格が仮に下落に転じれば、
雑誌やテレビでは、
「不動産市場崩壊!」
なんて見出しが躍ることでしょう。

いつかきた道です。

というか、既に、場所によっては、不動産価格は崩壊しているのです。
場所・空間に対するニーズの薄い場所は、資産価値がないからです。

でも不動産価格が高騰している局面では、「本来、価値がない物件」にも、
“多額の資金”を“投資”していた“誰か”がいたのです。
不動産業者や銀行も一緒になって。

だから、「落差」ができてしまう。「落差」が大きければ、
それは「滝」のように上から下へ落ちていく。
すなわち、「崩壊」となるわけです。

もともと価値なんてなかったところに高い値段がついていて、
それが本来の値段に戻れば、確かに「崩壊」したように見えます。
でも、元から、そんな高い価値はなかったんです。

「崩壊」というと刺激的ですが、当たり前のことを大げさに
面白おかしく表現しているだけで、
場所的空間的需要がない対象に経済価値がつかないのは、
当たり前ですよね?
最初から“価値”がなかったのに、
高い“値札”がついていただけなんです。

でも多くの人は、
「崩壊」と言われると全く投資できなくなり、
「不動産が今アツい」と言われると不動産なら何でもいいから買いたい!
となってしまいます。

だから、いつかきた道になります。

結局自分自身に投資哲学がなければ、
マーケットに翻弄されてしまうわけですから・・・

今のところ、都心部を中心に、不動産価格は堅調と報道されています。
今後、仮に、TVや雑誌で、
「不動産市場崩壊!!」
なんて報道された時こそ、
もしかしたら、投資に適した時期なのかもしれませんよ。

不動産市場の特徴として、大きく不動産価格が下落するタイミングでは、
本来の“価値”以上に“価格”が下落してしまう物件もあるということです。

これってお買い得ということです。

ただし、気を付けなければならないのは、その次の市場回復のタイミングで、
盛り返してこれる物件なのかどうか。

見極めが必要だと思います。

本来の“価値”と、値札に書いてある“価格”と、
対比することです。

その一つのキーワードとして、
「再開発」
が挙げられるのでは?
と思います。

不動産市場が崩壊しても、
明日から日本人や訪日外国人が突然いなくなるわけではありません。
毎日の生活や経済活動は、継続されるわけです。
ある日断絶するわけではありません。

どんな対象なら、
利用したい、行きたい、住みたい、買い物したい物件なのか。
再開発エリアなら、人を集める力があるのではないか。
とても当たり前のことです。

当たり前のことを自分自身が信じて実行できるかどうか、
不動産下落時代あるいは二極化時代には、
こういったことが問われてくるのだと思います。

情報収集し過ぎると、
大げさな報道に振り回されて、
当たり前のことが分からなくなってしまうので、
注意が必要です。

難しい知識や難しいセミナー。
そんなの要らない。

当たり前のことを徹底してからでも遅くない。
と、思いませんか?

また来週!

 

ABOUT ME
田口陽一
明治大学理工学部建築学科卒業。一級建築士、不動産鑑定士、宅地建 物取引士、マンション管理士。東京建物株式会社にて、不動産鑑定評 価、都市再開発、オフィスビル売買・運営、SPCスキームを活用した 不動産事業等、理論・実務の両面から不動産業務を経験し実績を残す。 不動産ソリューションは、実践的経験が何より重要であるばかりでな く、建築・税・法務・金融・理論的評価・現実の売買等々、複合的領 域にわたることから、常に複眼思考でベストな解決策を構築している。 鑑定評価や売買のみならず、バランス重視のハイブリッドなアドバイ ザリーを得意とする。
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