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東京の中心で税務を叫ぶ
第34回 「そもそもキャッシュフローって何?」

こんにちは!
今回はキャッシュフローについてお話したいと思います。
大家さんのキャッシュフロー(手残り)は下記のように計算します。

家賃収入-経費支出-借入金返済額-不動産所得に係る税金手残り

ただし、キャッシュフローは今年1年間だけで考えてはいけません。
将来にわたってどのように推移するかを予測しておく必要があります。

それでは、10年間のキャッシュフローをシミュレーションしてみたいと思います。

キャッシュフローシミュレーションでは何を見る?

【例】

築20年のアパートを3,000万円で購入(中古建物の耐用年数6年)
借入2,400万円(金利2%、返済期間15年、元利均等返済)
年間家賃収入360万円、年間支出100万円

1年目は手残りが約64万円ありますが、2年目以降だんだん減っています。
なぜでしょう?

答えは、借入金の利息が毎年減っていくからです!
元利均等返済の場合、返済額は毎年変わらないですが、その内訳が変わりますよね。
内訳のうち、利息の割合が減っていき、元本の割合が増えていきますね。
利息は経費となりますが、元本は経費となりません。
つまり、「毎年経費が減っていく=毎年税金が増えていく」ことになります。
したがって、手残りが毎年減っていきます。

さらに、7年目で手残りがいっきに減って約8万円になっています。
なぜでしょう?

答えは、6年目で減価償却が終わったからです!
減価償却は、建物の購入金額を耐用年数の期間で毎年経費にしていくものですね。
今回の耐用年数は6年ですから、7年目から減価償却費は0円となります。
つまり、「経費が大幅に減少する=税金が大幅に増える」ことになります。
したがって、手残りがいっきに減少します。
(いわゆるデッドクロスの発生)

7年目以降に大規模修繕があったとすると、とたんに手残りはマイナス(赤字)になります。
6年目までにいかにキャッシュを貯められるかが重要となります。

まとめ

① 満室のままでも毎年手残りが減っていくのが賃貸経営の宿命

② 減価償却が終わるまでの期間にいかにキャッシュを貯めるかが重要

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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