ブログ

専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第234回】一級建築士 遠田 将徳が斬る!③

『これからの空室対策』

こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。

1、2回目はコロナウィルス関連による需要の変化への対策をご紹介して参りました。

今回はその対策と併せ、入居者設備の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

◆まずは需要の確認

賃貸に求められる設備ランキングのご紹介…ではなく、今回は「持ち家」と「貸家」に
ある設備の比較調査から需要をみてみたいと思います。

魚焼きグリル(持ち家:55.1%。貸家:40.3%)→差:14.8%
モニター付きインターホン(持ち家:48.3%。貸家:30.3%)→差:18.0%
追い炊き機能付きバス(持ち家:38.8%。貸家:24.6%)→差:14.2%
浴室乾燥機(持ち家:37.1%。貸家:14.8%)→差:32.3%
浄水器(持ち家:35.0%。貸家:12.8%)→差:22.2%
宅配ボックス(持ち家:26.1%。貸家:8.4%)→差:17.7%
食器洗い乾燥機(持ち家:21.1%。貸家:5.7%)→差:15.4%
床暖房(持ち家:12.6%。貸家:2.4%)→差:10.2%
浴室テレビ(持ち家:5.2%。貸家:1.3%)→差:3.9%
ミストサウナ(持ち家:1.6%。貸家:1.0%)→差:0.6%

※アットホーム調べ(設備関連のみ抜粋)

非常にざっくりとしたアンケートではありますが、
この差の大きいところが求められる設備といえるのではないでしょうか。
例えば、浴室乾燥機、浄水器、モニター付きインターホン、宅配ボックス、
食器洗い乾燥機が設置率に15%以上も差がある設備となります。
15%には届きませんでしたが、追い炊き機能付きバスも貸家に欲しい設備として    よくあがります。

◆調査項目にはありませんでしたが…

今やシャワートイレは当たり前ということなんでしょうか。
なぜか調査項目にはありませんでした。
トイレに電源があれば容易に設置可能です。
電源がない場合は退去後のクリーニング時に電源を作ってみてはいかがでしょうか。

◆浄水器??
持ち家の設置率の高さに驚きませんでしょうか。
今は蛇口と一体型(カートリッジ式)の商品があり、普及率が上がっているのかもしれません。
浄水器は管理の関係で敬遠されそうですが、
蛇口と一体型の浄水器であれば、入居時にはカートリッジを未設置とし、
興味がある方にはメーカーから直接カートリッジを購入していただく方法することで
管理を容易にすることができます。
※必要ない方は購入しなくても通常の水栓として利用可能です。
費用は蛇口の交換費用だけですので、導入しやすいのではないでしょうか。

◆空室だからこそできること
すでに傷んでいる箇所のメンテナンスも非常に大事です。
部屋や設備ごとにメンテナンス時期を一覧表にしておくと、
修繕の際に優先順位がつけやすく、便利です。                    空室のときこそ物件の価値を上げるチャンスと考え、
いろいろと検討してみましょう。

 

ABOUT ME
遠田将徳
株式会社ウィル建築設計 顧問/武蔵工業大学工学部建築学科卒業。一級建築士、色彩検定二級。 ハウスメーカーにて、モデルハウスの企画設計・デザインコードの作成、戸建分譲のランドスケープデザインを経て、賃貸住宅の設計を経験。戸建住宅・賃貸住宅の新築、リフォームの見積り、外構工事と幅広く手掛け、許認可業務、実施設計、デザイン、コーディネートまで、建築に関わる様々な目線からの適切なアドバイスを得意とする。
さらに詳しく知りたい方へ