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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第248回】弁護士 関 義之が斬る!     「弁護士が語る コロナ禍における賃借人対応」 その1

●新型コロナウイルスの影響

こんにちは。弁護士の関です。

全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症            (covid19、以下「新型コロナ」といいます。)は、
サプライチェーンの毀損、インバウンド需要の消失、
対面型ビジネスの困難性等の経営に支障をもたらす脅威となり、
観光業、宿泊業、飲食業を中心に急激な業績悪化の原因となっています。
日本にも広がり始めた令和2年2月以降の事業者における喫緊の課題は資金繰りであり、
多くの事業者が融資や給付金等により運転資金の確保に努めましたが、
緊急事態宣言等により休業を余儀なくされたり、予断を許さない感染者数の推移により、
いまだに従来通りの売上を確保することが困難な事業者もかなりの数に達しているものと 思われます。
事業者に固定費として重い負担となっていたのは人件費や賃料です。
そのうち人件費については早くから雇用調整助成金等で手当てされていましたが、
家賃支援給付金が導入される前は、賃料を支援する国の補助金がなく         (ただし、自治体によっては先行して独自の制度がありました)、
賃借人である事業者は、賃貸人に賃料の減免や支払猶予を求めるしか方法が       ありませんでした。

事業者の中には、既に運転資金が尽き、
または、将来の見通しが立たないため、早めに廃業を選択したり、
倒産するところがでてきています。
また、リストラ、解雇、派遣切り等によりやむなく人件費の削減を選択する事業者もおり、
結果、多くの労働者が収入の減少により生活が困難な状況に陥っています。
生活費に困っている市民に対しては、                        国の緊急小口資金・総合支援資金という生活費を借りる仕組みもありますが、
賃料を支援する制度としては住居確保給付金があり、その対象が拡大したことによって、 多くの市民が利用しています。
共同通信の記事(令和2年10月15日付)によれば、
住居確保給付金の4月から8月までの支給が決まった件数は約9万6000件であり、
リーマンショック後の平成22年度の1年分(3万7151件)の約2.6倍となっているそうです。
住居確保給付金の利用は最長9か月となっていますので、新型コロナの影響が長引き、
就職先が見つからない状況が続く場合、将来的に賃料の不払いに発展する可能性も    あります。

●コロナ禍における賃借人対応

11月となり、既に読者である大家さんの中には、賃借人からの賃料の減免、
支払猶予の交渉を求められたり、家賃支援給付金や住居確保給付金の申請の         協力を求められた経験をし、対応済みの方も多くいらっしゃると思います。

しかし、今後も新型コロナの影響が続く場合、
再度、同じような交渉を求められるケースもでてくると思います。
また、もちろん、まだ経験がない大家さんもいらっしゃると思いますので、
コロナ禍における賃借人対応について、改めて、整理していきたいと思います。

ABOUT ME
関 義之
関&パートナーズ法律事務所 代表弁護士・中小企業診断士 平成10年3月に早稲田大学を卒業し、その年の10月に司法試験に合格。平成12年10月から弁護士登録。中小企業の総合支援を目標に掲げ、平成23年10月から中小企業診断士にも登録。法人・個人を問わず幅広く紛争に関する相談を受け、代理人として示談交渉や訴訟等に対応するほか、契約書の作成・チェック等、紛争が生じる前の予防法務にも力をいれている。
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