『ウッドショック①』
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
建設業界を騒がせている「ウッドショック」問題、
夏以降落ち着くかとみられていましたが、
「2020年以降も解消されないのではないか」という警戒感が高まっています。
そのような状況を受け、今回は「ウッドショック」について
3回に分けて取りまとめていきたいと思います。
◆「ウッドショック」とは
2020年、新型コロナウイルス感染症による影響により、
アメリカでは住宅建設が一時期落ち込んだものの、
2020年5月のロックダウン解除後から、住宅建築需要が増加。
膨大な財政出動と低金利政策が取られた結果、
住宅を郊外に新しく購入、もしくはリフォームをする流れが進みました。
もともと、虫害や山火事等で原料が不足しており、
コロナで製材所の休業を余儀なくされた中にその動きが加わり、
世界では建築用木材需要増の結果、木材価格高騰が引き起こされています。
そして現在、その影響が日本にも及んでいます。
◆新築戸建住宅販売への影響
不動産業全体の動きは、感染症拡大の影響が大きかった2020年においても、
多少の落ち込みは見られたものの、2020年全体を通してみると、
例年と大きく変わらない水準で推移しました。
新築戸建住宅売買業については、不動産業とは異なる動きとなっており、
感染症拡大の影響で2020年4月に大きく落ち込んだ後、8月まで大きく回復し、
その結果、2020年は前年を上回る水準となりました。
ただし、月単位での動きを見ると、新築戸建住宅売買業は
2020年8月をピークに大きく低下しており、
輸入材の価格上昇と連動するように低下しています。
現在では、好調な一部のハウスメーカーがある一方で、
契約もままならない施工会社もあり、二極化が進んでいるようにも思えます。
◆次回
①木材業界では、上がり続けた価格は9月にはピークを迎えるといわれていた理由
②製材以外にも価格上昇をしている資材とは
上記についてまとめと行きたいと思います。