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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第331回】
 二代目大家の小宮 哲朗が語る  ①

大家さんが知っておくべき空室対策の基礎知識

皆さんこんにちは。今月は二代目大家の小宮 哲朗より
「大家さんが知っておくべき空室対策の基礎知識」と題して、
4回に分けてお送りいたします。

第1回目は「入居者募集とポータルサイト」についてです。

私は前職で、不動産ポータルサイトの運営会社で
システム開発のエンジニアとして働いていたこともあり、
今回はポータルサイトへの掲載実態についてお伝えします。
入居者募集は、大家さんが仲介会社に
「空室情報をポータルサイトへ掲載依頼する」ことから始まります。
ポータルサイトは部屋探しの主たる入口ですので、
ここに掲載されないとなると「空室物件が存在していない」のと
同じことになってしまいます。
「掲載依頼をすれば安心」と思われている大家さんもいらっしゃいますが、
実際はそうではないのが実状です。

仲介会社の物件掲載数には上限がある
仲介会社には、全ての空き物件を掲載できない事情があります。
一般的にポータルサイトへの掲載には
料金がかかり、その費用は不動産会社が負担しています。
「月額◯◯円の契約で△△件まで掲載可能」というように
掲載数に上限があるため、全ての物件を掲載できるとは限らないのです。
多くの場合、「お客様の反響が見込める物件」
「決めやすい物件」が優先されることとなります。
したがって確実にポータルサイトに掲載してもらうためには、
仲介会社にとって「決めやすい物件」、
言い換えれば「入居者候補の顧客にとって魅力のある物件」
である必要があるのです。

以上のことから、募集を依頼した後は
「自分の物件が掲載されているか」をしっかり確認するとともに、
掲載内容に誤りがないかどうかをチェックするようにしましょう。

◆空室発生→募集するうえでまずやるべきこと
一般的な賃貸借契約では、
入居者は1か月前までには退去予告をすることとなっています。
つまり大家さんは管理会社から入居者退去予告の連絡を受ける時、
1か月前にはその事実を把握できることになります。
この1か月間をいかに有効活用するかが非常に大事なのです。
1か月前に空室発生の事実が分かったとしても、
実際に入居者が退去するまでは何もできることが無いと思われるかもしれません。
確かに実際に退去するまでは原状回復工事はできませんが、
管理会社や仲介会社との募集条件の設定、
リフォーム会社との打ち合わせ・工事日程の調整は行うことができます。
あらかじめ決めておけば、
退去後すぐに工事を開始することも可能です。
最も理想なのは、入居者が退去した当日または翌日に
管理会社とリフォーム業者に部屋の中を確認してもらい、
工事内容を決めたうえで原状回復工事を開始することです。
また1〜3月は不動産業界の繁忙期と言われますが、
この時期は不動産会社、リフォーム会社ともに忙しく、
早めに日程調整をしておかないと
希望日が確保できない可能性があるため注意が必要です。

◆物件の反響から入居者ニーズを早めに掴む
もう一つの目的として、
掲載広告を通じて物件の反響を早めに把握することがあります。
言い換えると入居者のニーズを早めに把握することです。
ポータルサイトでは物件ごとの検索結果表示数、
閲覧数、問い合わせ数などが分かるようになっています。
ただしこれらの数字は仲介会社しか見ることができないため、
大家さん自ら仲介会社へ確認する必要があります。
物件の反響を把握することで、
入居者ニーズに合った対策を立てやすくなります。
例えば反響が少ない場合、賃料が高すぎるのか、
設備の古さがマイナスポイントなのかなど、
他の類似物件の掲載状況と照らし合わせながら原因を探ることができます。
こちらも仲介会社へ確認したうえで、
お互いコミュニケーションを取りながら対策を考える必要があります。
対策例としては、賃料の変更、リフォーム・設備の追加、
初期費用の見直し、フリーレントの導入などがあります。
前述の通り、既存の入居者からの退去予告があってから退去前での
1か月間でこれらが対応できれば、
時間的にも精神的に余裕があるため、
早期成約の可能性を高めることができます。

今回は以上となります。
次週の第2回は「ポータルサイト掲載時の具体的な施策」
についてお伝えします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
小宮 哲朗
小宮 哲朗(こみや てつろう) エターナルフィナンシャルグループ IFA事業部長 ◆保有資格 CPM(認定不動産経営管理士)、宅地建物取引士、AFP、 証券外務員二種 ◆経歴◆ IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)、 不動産コンサルタント、二代目大家。 不動産投資は2012年にサラリーマン大家として開始。 実家が個人の地主系大家のため、 相続対策として法人化を実行し現在に至る。 サラリーマン時代は不動産ポータルサイト「HOMES」の 運営会社でエンジニアを勤め、不動産会社向けシステムの開発に従事。 現在は不動産、金融両方に精通したIFAとしてコンサルティングに従事。
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