税理士・司法書士の渡邊浩滋 の 賃貸経営税務相談メール
発行: 大家さん専門 税理士ネットワーク Knees bee
2026.7.7
こんにちは。
大家さん専門税理士・司法書士の渡邊浩滋です。
大家さんの知恵袋メルマガ2026年第75号です。
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《お知らせ》
1.金沢で無料リアルセミナー
大家さん専門税理士が語る! 「継ぎたい」に変える賃貸経営改善術
日時:7月18日(土)10:00~11:30
費用:無料
会場:株式会社サンコーすまいる 2階特設会場
石川県金沢市小坂町西77-3
申し込みTEL:076-252-0322
担当:山田裕也(ヤマダユウヤ)
(主催:株式会社サンコーすまいる ピタットハウス金沢東店)
2.賃貸住宅フェア2026in東京で出展&セミナー登壇
「大家さん専門税理士が語る!「継ぎたい」に変える賃貸経営改善術」
日時:7月29日(水)15:40~16:20(ビジネスセミナーA)
場所:東京ビッグサイト 西1・2ホール
費用:無料
賃貸住宅フェアHP:
https://zenchin-fair.com/2026/tokyo/about_fair
※※
会期は7月29日(水)・30日(木)の2日間です。
ブース会場では、Knees bee税理士法人が出展しております。
渡邊及びスタッフがお待ちしております。
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■ 税務相談質問箱
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今週のQ&A
Q1 毎年110万円ずつ贈与していた親が死亡。亡くなった年の贈与は相続税がかかる?
Q2 3LDKを2LDK間取りを変更。資本的支出になって経費にならない?
(Q1)毎年110万円ずつ贈与していた親が死亡。亡くなった年の贈与は相続税がかかる?
父が毎年、私(長男)に110万円ずつ贈与してくれていました。
その父が、今年亡くなりました。
今年も、亡くなる前に110万円の贈与を受けています。
亡くなる前7年以内の贈与は相続税の対象に持ち戻される、と聞きました。
そうすると、今年もらった110万円も相続税がかかってしまうのでしょうか。
何とか非課税にする方法はありませんか。
(A1)
1.相続税がかからない方法がある
亡くなった年の110万円について、
相続時精算課税制度を選択することで、
相続税の対象から外すことができます。
暦年課税のままだと、
その110万円は満額が相続財産に持ち戻されてしまいますが、
相続時精算課税なら、令和6年から新設された
年110万円の基礎控除部分は相続財産に加算されません。
こちらは、贈与者が亡くなった後からでも選択できます。
ただし、届出書の提出期限が通常より
早まることがありますので、
そこはご注意ください。
2.そのままだと、亡くなった年の110万円も相続税の対象になる
亡くなった年に被相続人から受けた贈与は、
相続や遺贈で財産を取得する人については、贈与
税はかからない代わりに、
その全額が相続財産に持ち戻され、
相続税の対象になります(生前贈与加算)。
「毎年110万円だから非課税」と思っていても、
亡くなった年の分は110万円まるごと相続税の
課税対象に取り込まれてしまうのです。
2.相続時精算課税なら、110万円は相続財産に加算されない
一方、相続時精算課税制度には、
令和6年から年110万円の基礎控除が新設されました。
この基礎控除部分は、
贈与者が亡くなったときの
相続財産への加算対象から
除外されるのです。
つまり、亡くなった年の
110万円の贈与について
相続時精算課税を選択すれば、
「110万円-基礎控除110万円=0円」となり、
相続税の対象になる金額はゼロになります。
暦年課税のままなら110万円が持ち戻されるところ、
精算課税に切り替えることで、
この110万円をまるごと
相続税から外せるわけです。
3.贈与者が亡くなった後でも、相続時精算課税は選べる
相続時精算課税は、
通常は
「贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで」
に届出書を出して選択します。
では、その前に贈与者が亡くなってしまった場合には、
提出ができるのか?
贈与者が贈与をした年の中途で亡くなった場合でも、
受贈者は「相続時精算課税選択届出書」
を提出することで、
事後的に相続時精算課税を選択できます
(この場合、贈与税の申告書の提出は不要です)。
しかも、通常は
「一度精算課税を選ぶと暦年課税に戻せない」
という不可逆性が大きなデメリ
ットになりますが、
贈与者がすでに亡くなっている以上、
今後の贈与はもうありません。
デメリットが実質的に消えるため、
迷わず選択してよい場面といえます。
(※相続時精算課税は、
贈与を受けた年の1月1日時点で受贈者が
18歳以上の推定相続人または
孫、贈与者が60歳以上の父母・祖父母、という
要件がある点に注意してください。)
4.届出書の期限は、通常と違って「いずれか早い日」まで
贈与者が贈与した年の中途で亡くなった場合、
届出書の提出期限と提出先は通常と異なり、次
のイ・ロのいずれか早い日までに、
贈与者の死亡に係る相続税の
納税地の所轄税務署長に提出します。
イ 贈与税の申告書の提出期限(通常は、贈与を受けた年の翌年3月15日)
ロ 相続税の申告書の提出期限(通常は、亡くなった日の翌日から10か月を経過する日)
亡くなった時期によって、
どちらが期限になるかが変わります。
・1月1日〜5月15日ごろに死亡
……相続税の申告期限(死亡から10か月)のほうが
先に来るため、そちらが期限
・5月16日ごろ以降に死亡
……翌年3月15日(贈与税の申告期限)
のほうが先に来るため、そちらが期限
なお、ロの日が期限となり
相続税の申告書を提出するときは、
その申告書に届出書を添付します。
相続税の申告が不要なケースでも、
精算課税の適用を受けるには、
期限までに届出書だけは必
ず提出しなければなりません。
やっかいなのは、
年末近くに亡くなったケースです。
この場合、翌年3月15日までという
短い期間しか猶予がありません。
相続開始の慌ただしさの中で贈与の事実が共有されず、
気づいたときには期限を過ぎていた、と
いうことになりかねません。
毎年コツコツ暦年贈与をしていたご家庭ほど、
亡くなった年の贈与にこの
一手間を加えるだけで、110万円分の相続税を
確実に減らせます。
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(Q2)3LDKを2LDK間取りを変更。資本的支出になって経費にならない?
所有している賃貸マンションの一室が、
古い3LDKで最近は入居が決まりにくくなってきました。
そこで、居室を仕切っている壁を撤去して
2部屋を1部屋にまとめ、
3LDK→2LDKの広めの間取りに
変えようと思っています。
キッチンはそのまま、設備の入れ替えもしません。
間取り3LDKを2LDKに壁を取り壊して
変更した場合の工事代は全額経費になりますか?
(A2)
「用途は住宅用のまま」
「キッチン等の設備は新設しない」純粋な
間仕切り撤去であれば、原則
として修繕費(一括経費)で問題ないと考えます。
1.判定は「取得時に予測される水準を超えたか」
資本的支出か修繕費かの判定基準は、
「その建物を取得したときに、通常の維持管理を続けると
想定した場合に見込まれる使用可能期間・価額」を、
その工事が超えて、延ばした・増やしたかにあります。
この水準を超えなければ、定義上そもそも修繕費です。
2.資本的支出の「3つの例示」に当てはまるか
国税庁が挙げる資本的支出の典型は3つですが、
本件はいずれにも該当しません。
(1)物理的に付け加えた部分
本件は壁を撤去しています。
付加ではなく除去なので当たりません。
(2)用途変更のための模様替え等の改造・改装
資本的支出になるのは「用途変更のための」改装に限られます。
本件は住宅用のまま住宅用。用途は一切変わっていません。
部屋数を変えただけで用途を変えたわけではないので、
これにも当たりません。
(3)高性能なものへの取替えの超過部分
キッチンを変えていない以上、
設備の取替えそのものがなく、
これも当たりません。
3.耐用年数も延びず、価額も増えない
例示に当たらないだけでなく、
本体の要件(使用可能期間の延長・価額の増加)
も満たしません。
撤去するのは非耐力の間仕切りで、
柱や梁といった躯体には手を触れないため、
建物の使用可能期間は延びません。
また、設備の新設も仕上げのグレードアップもなく、
床面積も増えていない。
「広いLDKにすれば価値が上がるのでは」という見方もありますが、
価値が増えたことを客観的に
示す一番の指標は家賃です。
家賃が据え置きであれば、
価額が増えたと立証する材料はありません。
古くなった間取りを今の標準に戻す調整は、
むしろ賃貸を続けるための通常の維持管理に
近い工事です。
4.そもそも「撤去費用」は当期の経費
古い間仕切りを撤去する費用は、
撤去した年度の経費(除却損または修繕費)になります。
新しく何かを造るための撤去費用であっても、
解体、撤去費用は経費計上で問題ないと過去の裁決事例でも
判断されています。
5.まとめ
用途を変えず・設備を新設せず・床面積も増やさない間仕切り撤去は、
取得時に想定される水準を
超えて価値や寿命を上乗せするものではなく、原則として修繕費です。
大切なのは、工事を「純粋な撤去」に絞り、
見積書で撤去・原状回復の内容を明確に
しておくことです。
逆に、2LDKを作るための壁の新設や、
水回りの移設、仕上げのグレードアップが混じると、
その部分は資本的支出の検討が必要になります。
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