東京の中心で税務を叫ぶ 第89回コラム
そもそもデッドクロスとエンジェルクロスって何?
そもそもデッドクロスとエンジェルクロスって何?
お話しします。
こんにちは!
今回は、デッドクロスとエンジェルクロスについてお話します。
○○クロスと言えば、
すぐに思い浮かぶのがデッドクロスだと思いますので、
まずは、デッドクロスからご説明します。
デッドクロスとは、
減価償却費と借入金の元本返済額を比較する指標で、
下記のように減価償却費が元本返済額を下回る状態のことをいいます。
「年間の減価償却費<年間の元本返済額」
減価償却費は、支出がないけれど経費になるものです。
元本返済は、支出があるけれど経費にならないものです。
デッドクロスになると、「経費<支出」となるため、
税金が高くなり資金繰りが苦しい状態になると言われています。
ただ、デッドクロスは、
減価償却費と元本返済額しか見ない指標です。
もしデッドクロスになっても、
手残りがプラスで推移する場合はどうでしょう?
すぐに経営が立ち行かなくなると判断するのは早い気がします。
そこで、デッドクロスとともに見て頂きたいのが、
「エンジェルクロス」という指標です。
エンジェルクロスとは、
物件保有中の手残り累計と借入金の残債とを比較したものです。
(エンジェルクロスという呼び名は、
私達が勝手に名付けて使っている造語です。)
物件保有中の手残り累計は、
キャッシュフローがプラスであれば、
徐々に増えていくものですが、
これに対して残債は徐々に減っていくものになります。
この2つの数値が下記の状態のことを言います。
「保有中の手残り累計>借入金の残債」
2つの数値を比較したときに、
上記のように、手残り累計よりも、
残債が下回れば、理論上はいつでも繰上げ返済して完済できる状態と言えます。
デッドクロスになっていても、
エンジェルクロスの状態になっていれば、
残債以上の資金を確保できている状態のため、
キャッシュフローのプラスを維持していければ、
今後も経営を続けていくことができると考えられます。
まとめ
①エンジェルクロスとは、残債以上に手残りが溜まっている状態です。
② デッドクロスになっても慌てず、手残りで経営状態を判断しましょう。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。