ブログ

白色申告は帳簿をつけなくてもよい?

東京の中心で税務を叫ぶ 第107回コラム

白色申告は帳簿をつけなくてもよい?

大家さん
大家さん

白色申告は帳簿をつけなくてもよい?

大野
大野
今回は白色申告は帳簿をつけなくてもよい?についてお話します。

こんにちは!
今回は、確定申告にまつわる勘違いをご紹介します。

よくあるカン違い
「帳簿をつけるのが面倒なので、今年も白色申告します。」

白色申告でも帳簿をつける必要があります。

平成26年から、所得金額や申告の有無にかかわらず、
すべての白色申告者が、記帳をし、
帳簿等を保管する義務の対象となっています。
ただし、家計簿のように、お金の入出金と項目を記載する程度のもので構いません。
一つ一つの取引ごとではなく、
日々の合計金額のみをまとめて記載するなど、
簡易な方法で記載してもよいことになっています。
ただ、白色申告でも確定申告書の不動産所得の収入の内訳の記入が必要です。

この内訳には、入居者ごとの氏名、
契約期間、家賃収入などを書かなければなりません。

つまり、合計金額のみで記帳しても、
結局、入居者ごとに個別管理したうえで申告書に記載しなければならないということです。

記帳が大変なのは、簿記の知識が必要な複式簿記による記帳だと思いますが、
この複式簿記の記帳が求められるのは、青色申告でも、
事業的規模ある方で、55万円または65万円控除を受ける場合のみです。

10万円控除であれば、
簡易的な帳簿の記帳でもよいことになっていますので、
白色申告と記帳の手間はあまり変わらないと思います。

青色申告には、青色申告特別控除のほか、
下記のようなメリットもありますので、利用することをおすすめいたします。

・少額減価償却資産の特例…30万円未満の設備を購入したときは、
その年に一括で経費にできる特例(年間の合計で300万円まで)

・損失の3年間の繰越控除…不動産所得で赤字が出た場合で
他の所得と相殺しても損失が出るときは、3年間の繰り越しが可能

義務だから帳簿をつけるという考え方もありますが、
そもそも帳簿をつけるのは、一定のルールで記録することで、
1年間の賃貸経営の成績を出して、それを毎年比較することで、
将来の賃貸経営のいかすためです。

賃貸経営を安定して継続するためには、帳簿は必要不可欠だと思います。

まとめ

①白色申告でも帳簿をつける義務があります。

②申告のためではなく、経営のために帳簿をつけましょう。

大野税理士の他のブログはこちらから
楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
さらに詳しく知りたい方へ