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不動産の法人化-売却損が出るときの注意点は?

東京の中心で税務を叫ぶ 第115回コラム

不動産の法人化-売却損が出るときの注意点は?

大家さん
大家さん

不動産の法人化-売却損が出るときの注意点は?

大野
大野
今回は不動産の法人化-売却損が出るときの注意点は?
についてお話します。

こんにちは!
今回は、賃貸物件のうち建物を法人に売却して移転する時に、
売却損が出る場合の注意点についてお話します。

建物の売却価格は、時価で売却する必要があります。
例えば、建物の時価が700万円、
減価償却後の帳簿価額は1,000万円だったとします。

まず、建物を個人から法人に売却する場合には、
譲渡税が発生するかを確認します。
譲渡税の計算方法は、下記です。

売却価格-帳簿価額-仲介手数料=売却益
売却益×税率=譲渡税

仲介手数料はなし、税率は20%だったとすると、
700万円-1,000万円=△300万円(売却損)

売却益が出ず、売却損が発生するので、譲渡税は発生しません。

ただし、注意点としては、法人の立場で考えたときです。
法人は取得した建物を減価償却して経費を計上します。

今回は、建物を700万円で取得したことになります。
法人は、今後トータルで700万円分の減価償却費を
計上することになります。

もともと帳簿価額が1,000万円だったので、
個人がそのまま持っていれば1,000万円分の減価償却費を計上できたことになります。
つまり、個人、法人全体で考えたときに減価償却できる金額が
300万円減ったことになります。

譲渡税は発生しませんが、今後、減価償却できる金額は減ることになりますので、
個人、法人全体で考えたときにメリットが出るか
シミュレーションしてから判断することをおすすめいたします。

まとめ

①売却損が出るときは、譲渡税は発生しません。

②法人化は、個人・法人全体でメリットが出るかシミュレーションしてから
実施することをおすすめします。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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