東京の中心で税務を叫ぶ 第63回コラム
そもそも固定資産税精算金って何?
こんにちは!
大家さんにとっては身近ですが、 いまいち分かりづらい固定資産税精算金についてお話したいと思います。
「固定資産税」という言葉が入っていますので、 税金の支払いというイメージが強いと思います。
ただ、実は「固定資産税精算金」の支払いは、税金の支払いではありません。
まず固定資産税とは、どんな税金かを簡単にお話しますと、
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課税されるもので、
年の途中で売却しても、納税する人は変わらないことになります。
たとえば、令和4年分の固定資産税は、 令和4年1月1日に所有していた人に対して課税されます。
もしその人が令和4年中に売却した場合、その人から物件を購入した人は、 令和4年分の固定資産税を納める必要はないことになります。
ただ、このままだと売却した後の期間分の固定資産税も売主が負担することになります。
これだと売主にとっては不公平と考えられるため、 引渡日以降の固定資産税を買主から売主に支払うことで精算します。
これを「固定資産税精算金」といいます。
この精算金の支払いは、固定資産税そのものの納付ではなく、 売主と買主との間で慣習として行っているものに過ぎないことになります。
よって、税務上は、固定資産税精算金は、税金の支払いでなく、 売買代金の支払いの一部として取り扱うことになっており、 土地・建物の取得価額に含めます。
土地と建物両方に係るものであれば、 按分して土地と建物それぞれの取得価額に加算することになります。
なお、固定資産税精算金は購入時に経費にはなりませんが、 建物に含めた分は、建物の減価償却を通じて毎年の経費に振り替わります。
土地に含めた分は、物件を売却した際に経費として処理されることになります。
まとめ
①固定資産税精算金は、税金ではありません。
②固定資産税精算金は、土地・建物の取得価額に含められます。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。