投資用不動産を売却すべき
タイミングの見極め方について
ファイナンシャル・プランナーの駒崎です。
これまで売却のタイミングと
収支計算についてお伝えしてきました。
今週は、実際に売却を検討する際、
物件価値を最大化するための
準備方法を解説いたします。
適切な準備を行った物件は、
査定額が15%以上向上するケースもあります。
■ オーナーチェンジ物件として高値売却する3つの条件
オーナーチェンジ物件として
高値売却を実現するには、
3つの必須条件を満たす必要があります。
1. 満室稼働の維持
満室稼働の維持が最重要です。空室がある物件は、
投資家から「すぐに家賃収入が得られない」と判断され、
値引き交渉を受けやすくなります。
実際の事例では、
空室率20%の物件を満室にしてから売却したところ、
査定額が15%上昇した例があります。
売却を検討し始めたら、
まず満室を目指すことが第一歩です。
2. 長期賃貸契約の確保
2年以上の定期借家契約がある物件は、
安定収入の証明となり買い手の評価が高まります。
契約更新時期が分散していることも、
リスク分散の観点から有利に働きます。
可能であれば、売却前の契約更新時に
長期契約を促進する施策
(更新料の減額など)を検討することも有効です。
そして、普通借家契約がある場合は
定期借家契約に切り替えることも、
今後の募集賃料値上げをしやすくなります。
3. 適正賃料の設定
周辺相場より高すぎると将来の空室リスクを懸念され、
低すぎると収益性に疑問を持たれます。
調査によると、相場の±5%以内の賃料設定が、
最も買い手から好評価を得やすい水準です。
売却前に周辺の賃料相場を再確認し、
買い手の判断材料として
資料提供することをお勧めします。
現在が定期借家契約で家賃の
アップが望める物件であれば好印象となります。
■ 買い手が融資を受けやすくする管理運営のポイント
買い手が融資を受けやすい物件にすることで、
売却がスムーズに進みます。
金融機関が重視する3つのポイントを押さえましょう。
1. 管理状態の可視化
金融機関は物件の管理状態を
融資審査の重要項目として評価します。
日常清掃の記録、定期点検報告書、
テナントからのクレーム対応履歴など、
管理運営の実態を示す書類を整備しましょう。
2. 修繕履歴の完全な記録化
実際の売却支援案件では、
過去10年分の修繕履歴を時系列で整理し、
領収書と施工写真を添付した
資料を作成した結果、
買い手の融資承認率が向上します。
特に大規模修繕の実施時期と内容は、
物件の資産価値を判断する重要な指標となります。
今から記録を整理し始めることをお勧めします。
3. 収支報告書の精緻化
月次・年次の収支実績を3年分以上準備し、
家賃収入、管理費、修繕費、
税金などを詳細に記載します。
収支の透明性が高い物件は、
金融機関の融資可能額が
物件価格の80%以上になるケースがあります。
エクセル等で整理された収支データがあれば、
買い手の判断も早まります。
この他にも、管理会社の審査がありますので、
場合によっては管理会社を変更しないと
融資が承認できない金融機関がありますので、
融資に詳しい専門家の意見も聞きましょう。
■ 投資用不動産に精通した不動産会社の選び方
投資用不動産の売却では、
専門性の高い不動産会社選びが成否を分けます。
適正な収益還元価格の算出やプロも含めた
投資家ネットワークを持っている会社がお勧めです。
査定依頼のコツは、
必ず3社以上に同時依頼することです。
査定額には最大で20%もの
開きが出ることがあります。
ただし、高額査定を提示する
会社が必ずしも優良とは限りません。
査定根拠の説明力こそが重要です。
NOIやNCF(純収益)の計算方法、
周辺の取引事例、想定される買い手層など、
具体的な根拠を示せる会社を選びましょう。
【今週のポイント】
・満室稼働、長期契約、適正賃料の3条件を整える
・管理記録、修繕履歴、収支報告書を準備する
・3社以上に査定を依頼し、根拠の説明力で選ぶ
来週は、実際の成功事例をご紹介します。



