親の持ち家をどうするか
皆さんこんにちは。大家兼不動産屋の廣田です。
「親が他界したときや、老人施設などへの入所が理由で、
空き家となった親の持ち家をどうしたらよいか悩んでいる」
という話をよく耳にします。
そこで、今回の記事では、空き家になっている、
あるいはなる可能性のある親の持ち家をどうしたら良いかについて書きます。
1.空き家のまま放置すると
空き家の状態で放置しておくと衛生上、景観上、
防犯上の問題が発生します。管理状況がひどくなると、
自治体から「特定空き家」に指定されます。
「特定空き家」の指定を受けると管理状況に関して指導・
助言をうけ、それでも改善しない場合は、
固定資産税の軽減措置が受けられなくなることや、
場合によっては過料を課せられることもあります。
このような、問題にならないように、空き家となった親の持ち家に関して、
・誰が相続するのか
・保有するのか、処分するのか
の2点について事前に対策を検討しておくほうが良いと思います。
2.いつから対策の検討を始めるのか
対策の検討を始めるのは、早く始める方が良いことは言うまでもありません。
親が元気に暮らしているときに、
住んでいる家をどうするかについては話を切り出し難いと思います。
しかし、親がいつ亡くなるかは予測が不可能です。
また、認知症を発症し、意思能力が低下すると、
さまざまな制約を受けることになります。
親の持ち家をどうするのか、親が元気なうちに家族間で話し合い、
合意を形成しておいた方がいいと思います。
3.誰が相続するのか
相続問題というと、最初に、相続税のことを思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、実際の相続で揉め事となるのは、
相続財産を誰が相続するかという分割問題です。
資産家の遺産分割を巡って殺人事件が発生するといったテレビドラマの影響か、
相続財産の分割トラブルは資産家に限ったことのように考えがちですが、
実際には、相続財産が一般的な持ち家と
少額の預金の家族の相続でも、遺産の分割を巡って争い事が起きています。
家などの不動産は、簡単に分割できないため、
その所有権を兄弟間で共有するケースをよく見かけます。
しかし、安易に共有名義にしてしまうと、
その後の管理や処分するときに意思決定が困難になります。
また、代替わりするたびに、所有権を持つ人が増え、
さまざまな問題の原因になります。
相続後その家をどうするのかにもよりますが、
できるだけ共有名義にしないほうが良いです。
「財産分割に関して相続発生前に決めて置く方が良い」と書くことは簡単ですが、
実際には、かなり難しい問題です。
分割の問題を弁護士などの専門家に依頼する方法もありますがかなりの
費用が必要になります。
早い段階で、家族間で話し合いをはじめるのがいいと思います。
・相続登記
不動産の所有権の登記は、
現在 任意ですが、平成6年4月1日より、
相続によって取得した不動産に関しては所有権の登記が義務化されます。
相続発生後3年以内に登記申請をしないと、
10万円以下の過料が科せられます。
また、相続登記の義務化が始まる平成6年4月1日以前に
相続した不動産などにも適用されるため注意が必要です。