賃貸住宅に長期修繕計画は必要か
皆さんこんにちは。大家兼不動産屋の廣田です。
前回の続きを話していきたいと思います。
5.修繕の実施時期と計画の見直し
外壁や共用部の修繕の実施は、大家さんの都合で日程を決めることが可能です。
一方、エアコン、給湯器のような、
専有部にある設備は入居者さんの都合により
修繕のタイミングが決まります。
実際の修繕の実施時期は、予想より劣化が進行し、
計画より前に修繕の実施が必要な場合や、
劣化状況の進行が遅く計画より遅らせても良い場合もあります。
実施時期は、計画した時期に縛られることなく、
実際の劣化状況に応じて実施することが重要です。
・占有部の設備更新
エアコン、給湯器に関しては、実際に故障してから更新するのが一般的です。
エアコン、給湯器の耐用年数は10年程度とされています。
実際には、10年未満で故障するのはレアケースですが、
機器によっては20年近く問題なく使用できるものがあり、
設備機器ごとにバラツキがあります。
設備は、設置後の時間が経過すると、故障する可能性が高くなります。
設備の故障は、入居者さんに迷惑がかかります。
また、家賃の減額対象になることもあります。
そこで、設備の更新時期に関して、
「ある程度の年数が経過した段階で、
入居者の入れ替え時の原状回復工事に合わせて故障していなくても更新する」
という考え方もあります。
まだ、使用可能な設備を更新するので、
もったいないと感じるかもしれませんが、
設備の故障リスクを軽減する上では有効な方法だと思います。
・長期修繕計画の見直し
長期修繕計画は、一度作成して終わりではなく、
定期的に見直しすることが大切です。
計画見直しの手順は、まず、それまでに実施した修繕を確認します。
修繕を実施した内容を踏まえ、既に計画している修繕の実施時期を調整します。
調整後の計画をベースに資金計画を見直します。
見直しのタイミングで、既に修繕した内容を記録しておくようにします。
修繕記録があると、売却時に交渉が有利になります。
6.長期修繕計画、大規模修繕に関連するサービス
建物調査を実施し、10~15年間に必要な修繕を見積り、
その費用を毎月一定額の支払いで、
必要な時期に修繕工事を実施してくれるサービスがあります。
長期的に建物修繕を任せることができ安心です。
しかし、修繕の対象が限定的なので、注意が必要です。
外壁、屋根、防水などに限定されています。
毎月の支払いは、経費として計上可能とされていますが、
このあたりは見解が分かれるので、申
告の際は、税理士さんへ相談しましょう。
<具体的なサービス>
メンパク/ 株式会社OWNERS CLUB
https://ownersclub.co.jp/menpaku.html
たてもの健康隊/東京ガスリビングアドバンス株式会社
https://home.tokyo-gas.co.jp/service/equipment/tatemono_kenko.html
まとめ
建物は、年々劣化していきます。
建物劣化は、家賃の下落、稼働率の低下を招き収入減に繋がります。
また、建物劣化は、出口戦略でもマイナス要素となります。
安定的な賃貸経営を進める上では、適切な修繕工事は重要です。
長期修繕計画を立てて、修繕工事を計画的に実施するようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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