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Q中古アパートの耐用年数を延長することは可能ですか。

耐用年数を超えた木造アパートの減価償却を4年でとっております。すでに2期経過しました。3期目から例えば10年にしたり20年にしたりすることはできるのでしょうか?

A

中古の減価償却資産を購入した場合の耐用年数は、3つ方法があります。
(1)法定耐用年数を使う
新築の場合の法定耐用年数を使うことです。「中古の固定資産を取得した場合には、その資産の法定耐用年数によらずに、購入した中古資産の取得の時以後の使用可能期間の年数を耐用年数とすることができる」とされています。つまり、中古の耐用年数を使うことが「で
きる」のであって、原則は、法定耐用年数を使用します。ですから、中古であっても、法定耐用年数を使用することには問題はありません。
(2)見積もり法を使う
中古の耐用年数は、使用可能期間として見積もられる年数を使うのが原則です。見積もるのが難しい場合には、例外的に、簡便法を使用できることになります。大抵は、見積もることが難しいので、簡便法による算式を使うのが一般的になっています。ですから、使用可能期間として見積もれるのであれば、2 年でも5 年でも10 年でも償却することができます。しかし、税務署から後から否認されないように根拠ある年数でなければいけません。勝手に決めることはリスクがあります。できれば第三者(専門家)の鑑定書や意見書などの証拠があることが望ましいです。
(3)簡便法を使う
中古の耐用年数=法定耐用年数-(経過年数×0.8)
※ 経過年数が法定耐用年数を超えている場合には、次の算式になります。
法定耐用年数×0.2=耐用年数(1年未満切捨)
これらは、事業の用に供した年に選択しなければなりません。通達に下記のように規定されています。
(中古資産の耐用年数の見積法及び簡便法 1-5-1)
中古資産についての「見積法」又は「簡便法」による耐用年数の算定は、その事業の用に供した事業年度においてすることができるのであるから当該事業年度においてその算定をしなかったときは、その後の事業年度においてはその算定をすることができないことに留意する。当初、簡便法での耐用年数を使用し、その後に耐用年数を延ばすことはできないものと考えます。なお、個人ではなく、法人の場合には、減価償却が任意償却になるため、その年の償却を少なく計上することによって、実質的に耐用年数を延ばすことが可能になります。個人の場合は、強制償却なので、耐用年数に応じた減価償却を計上しなければならないことになります。