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Q家族旅行代は個人でも法人でも経費にならないのですか。

賃貸経営での税金を何とか節税したいと考えています。節税に関する本を読んだときに、旅行代も経費にできる書いてありました。個人事業主でも経費になるのでしょうか?法人でないと経費にならないのであれば、会社を設立して、家族全員を役員にしたいと思っておりますが、いかがでしょうか?

A

結論から申し上げると、家族旅行の経費計上はおすすめしません。個人でも法人でも同じです。
(1)個人の場合
家族従業員(青色事業専従者など)とだけの慰安旅行の費用は、単なる家族旅行としての性格が強いものと認められ、通常の場合、家事的な費用として取り扱われるため、経費計上は難しいです。
名古屋地裁平成5 年11 月19 日判決において
「サラリーマンの家族が行ういわゆる家族旅行と異なるものではない」として必要経費を否定されているため、経費計上はおすすめしません。
(2)法人の場合
そもそも、会社には、福利厚生費は認められていますが、従業員がいる場合に認められるものになります。役員だけしかいない会社は、福利厚生費は認められません。これから従業員を入れるからという名目で、福利厚生費を主張できなくはないです。しかし、旅行代は高額になりがちですので、金額的に目立ちます。税務調査があれば、当然目につくので、根掘り葉掘り追求されます。もっとも懸念しなければならないのは、税務調査官が感情的になることです。つまり、旅行代を経費と認めてしまうと、税務署として立つ瀬がないと考え、何としても経費計上させないように行動する可能性があります。たとえ旅行代の経費を否認できなくても、他の経費を否認してくる可能性も考えられます。通常であれば見過ごしてくれる些細な経費も否認してきます。過去の裁決事例を見ると、「行き過ぎた経費」をキッカケに、他の経費もあわせて否認されているケースが見受けられます。したがって、目につくような経費を無理に計上することはおすすめしません。