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Q赤字で申告する場合、修繕費は一括で費用計上すべきですか。資産計上すべきですか。

青色申告にて、壁の塗装で修繕費600 万円の計上を予定しています。以前に同様のケースがあり、その時は修繕費として、一括で計上しました。今回も同様に考えていましたが、今年度はこの修繕費分が丸々確定申告上、赤字になる見通しです。(現状、控除分プラス予定経費が本年度予定収入と同額になる見通しでこの修繕費を、もし計上すると、600 万円分丸々赤字に成る予定です)
今回のような場合で、可能な限りの節税等を考えた場合、このまま赤字で確定申告するべきなのか、それとも、経費ではなく、例えば減価償却資産にするなどの別の方法があり、より節税効果が望める等の処理方法等がもしあればアドバイスを頂けますでしょうか?
(尚、今まで一度も赤字決算には成っていません。)

A

青色申告をされているのであれば、赤字金額が、損益通算(他の所得との相殺)をしても、引ききれない場合、3年間の繰越控除をすることができます。翌年以後の黒字と相殺をすることができるため、赤字になったから損になるということではありません。
しかし、合計所得金額(所得控除を引く前の所得)で赤字になった場合には、所得控除分が切り捨てになります。医療費控除や社会保険料控除、生命保険料など、せっかく受けられる控除が受けられなくなってしまいます。それであれば、赤字にするよりも、資産計上して、所得控除も控除した上で翌年以後の経費(減価償却)にする方がよいと言えます。
外壁塗装は、平成元年10月6日採決事例において、「建物の通常の維持または管理に必要な修繕そのものか、その範ちゅうに属するものであるから、修繕費とするのが相当である。」としているため、外壁塗装は原則、修繕費として計上するものになります。
ただし、「塗装材として特別に上質な材料を用いた」場合には、資本的支出になる余地はあります。塗装剤は、時代とともに進化していっています。以前外壁塗装されたときよりも、上質な塗装剤を使っているという主張であれば、資産計上は可能かと思います。