ブログ

遠方に賃貸不動産を持つのは大変ですか

東名阪を駆け抜ける コラム 第2回

わかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q.今現在、東京に住んでいますが、
実家は北陸にあり、
いずれ親が所有する北陸の賃貸不動産を引き継ぎます。
東京と北陸では距離もあり、賃貸経営できるか不安です。
近い将来手放したほうがよいのでしょうか。

A.解は人によって異なると考えています。
日本は、人口減少、少子高齢化が進んでおり、
特に地方でこれが顕著です。
一方、東京圏においては、まだ人口増加が続いており、
当面の家賃収入と、仮に譲渡した場合の譲渡収入ともに、
地方より懸念がないのかもしれません。

しかし、日本は世界的にみても災害の多い国です。
ある地域に不動産を集中して持つことは、
平時は管理しやすいメリットがあるものの、
異常時は、同時に大変なことになる可能性を有しています。

不動産という動かせない資産を1か所に集中させて持つか、
分散させて持つかは、個々人の判断になると思います。

そのまま自身の居住地とは離れた地域に不動産を保有する場合は、
次の点も念頭において経営していただければと思います。

良い不動産会社と関係を築く
自身の居住地と離れた地域に不動産を保有する場合、
何か異常が発生してもすぐに駆け付けることはできません。
また、空室の営業も相対的に難しくなります。
信頼できる不動産会社を見つけることがポイントです。

地域金融機関と関係を築く
今、地方の金融機関では、相続の発生に伴い、
その金融機関に口座のない相続人が資金を引きあげて
相続人自身と取引がある金融機関に預金を移すことが、
(預金量の減少という意味で)課題になっています。
確かに、自身と取引がある金融機関にお金を移すことは、
管理上楽かもしれませんが、
その地域の不動産に紐づく融資を新たに受けようとする際には、
対応してもらえない可能性があります。
これは、金融機関によっても考えが異なると思いますが、
融資をうける際の担保評価を、その賃貸不動産から遠いので
評価しにくいといった側面もあると考えております。
その点、地域に根付いた金融機関ですと、
その地域の専門家であるため、様々な点で助けになると思います。

地域内でも二極化が進む
東京圏とそれ以外の地域で二極化が進んでいますが、
地域内でみても二極化が進んでいく地域が多いと思います。
賃貸不動産経営は、借りてくださる方がいて成り立つビジネスです。
人口が減少している都市や、産業が衰退している都市では、
将来的に経営が苦しくなることが考えられます。
一方、その地域内でも局所的にみたらよい地域というのは、
どこの地域にもあります。
一気に手放すのではなく、様々な方の力も借りながら、
所有する賃貸不動産を入れ替えていくことも
考えてみてはよいのではないでしょうか。

ABOUT ME
神﨑 健二
1980年5月生まれ。 公認会計士として大手監査法人に17年在籍。 主に金融機関の監査にかかわり、その中で不動産融資に興味をもつ。 独立して税理士事務所を開業しようと考えた際に、 Knees bee税理士法人に出会い関与。
さらに詳しく知りたい方へ