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そもそもコベナンツ融資って何?

東京の中心で税務を叫ぶ 第185回コラム

大家さん
大家さん

そもそもコベナンツ融資って何?

大野
大野

そもそもコベナンツ融資って何?
について、お話しします!

こんにちは!
通常の融資ではなかなかハードルが高い案件でも、
「コベナンツ融資」という選択肢を使えば、
有利な条件で融資を受けられる
可能性があることをご存知でしょうか?

コベナンツ融資の「コベナンツ(Covenants)」とは、
直訳すると「約束」や「誓約」という意味です。
つまり、金融機関から融資を受ける際に、
大家さんが守るべき特定の約束事を盛り込んだ融資契約のことです。
例えば、
「毎年、純資産を〇〇円以上維持すること」や
「家賃収入に対する返済額の比率(DSCR)を
〇〇%以上に保つこと」といった具体的な財務指標が、
この約束事にあたります。

通常の融資では敬遠されがちな築古物件や、
多額の資金が必要な大規模リフォームなど、
融資が難しい案件でも、
コベナンツを設定することで、
金融機関がリスクを評価しやすくなり、
低金利や長期の融資を引き出せる可能性があります。

ただし、デメリットも存在します。

1.経営の自由度が制限される
「新たな借り入れをしない」や
「物件の売却は事前承認が必要」といった
コベナンツが設定されると、
ご自身の経営判断に制約がかかることがあります。

2.コストが増える
コベナンツ融資は、
通常の融資よりもコストがかかる傾向にあります。
コベナンツ設定料やモニタリング手数料といった名目で、
手数料が上乗せされることがあります。
また、物件の担保価値を定期的に確認するため、
毎年、もしくは数年おきに物件の鑑定評価を求められることもあります。
その鑑定費用は、基本的に大家さんの負担となります。

3.違反するとペナルティがある
万が一、コベナンツに違反してしまった場合、
金利の引き上げや、最悪の場合、
融資残高の一括返済を求められるリスクがあります。
契約内容を十分に理解し、
無理のない範囲でコベナンツを設定することが非常に重要です。

まとめ

①コベナンツを付けることで金利や融資期間など有利な条件で
融資を受けられる可能性があります。
②ただし、手数料や鑑定費用など余計なコストがかかるため、
事前に事業計画で手残りをシミュレーションした方がよいでしょう

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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