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法人化コストを試算してみた

東京の中心で税務を叫ぶ 第211回コラム

大家さん
大家さん

法人化コストを試算して

大野
大野
今回は
法人化コストを試算してみた
について、お話しします!

こんにちは!
今回は、法人化についてシミュレーションをしてみました。
法人化にもいくつか種類がありますが、今回は土地と建物を個人から法人に売却して移転したケースです。

【モデルケース】
築15年の木造アパート(建物の固定資産税評価額:1,200万円)
土地の固定資産税評価額:2,000万円
個人の取得価額:建物1,800万円(減価償却後の簿価500万円)、土地2,500万円
法人への売却価格:建物1,200万円(時価)、土地3,000万円(時価)

① 登録免許税(法人が負担)
不動産の名義を変えるには登記が必要で、この登記にかかる税金です。
建物:固定資産税評価額 × 2% = 1,200万円 × 2% = 24万円
土地:固定資産税評価額 × 1.5%(軽減税率)= 2,000万円 × 1.5% = 30万円
合計:約54万円

② 不動産取得税(法人が負担)
不動産を取得した側にかかる都道府県税です。
建物:固定資産税評価額 × 3% = 1,200万円 × 3% = 36万円
土地:固定資産税評価額 × 1/2 × 3% = 2,000万円 × 1/2 × 3% = 30万円
合計:約66万円

③ 譲渡所得税・住民税(個人が負担)
個人から法人への売却は「譲渡」になりますので、
売却金額が簿価(取得価額から減価償却費を差し引いた金額)を
上回ると売却益が発生し、譲渡税がかかります。
建物の譲渡益:1,200万円 − 500万円(簿価)= 700万円
土地の譲渡益:3,000万円 − 2,500万円 = 500万円
合計譲渡益:1,200万円

5年超保有(長期譲渡)の場合:1,200万円 × 20.315% = 約244万円
(※ 5年以下保有(短期譲渡)の場合:1,200万円 × 39.63% = 約476万円)

建物は減価償却で簿価が下がっているため、
時価との差額が譲渡益となります。
ただし、時価が簿価と同等の金額と判断できる場合は、
譲渡益は発生しないことになります。

④ その他のコスト
司法書士報酬:10〜15万円程度
売買契約書の印紙税:1〜2万円程度
法人側の融資手数料(ローン借換の場合):数十万円
固定金利ローンの一括返済違約金:ケースにより数十万円〜

今回のケースでは、
380万円くらいの移転コストが発生する見込みとなりました。

まとめ

①法人化による毎年の節税額と、
この移転コストを比べて、何年で回収できるかが法人化の判断基準となります。
②「法人化して節税したい」と思って始めたのに、
移転コストで節税効果が吹き飛んでしまっては
本末転倒ですので、まずはシミュレーションしてから判断しましょう。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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