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利益が出たから、決算前に車を買うべき?

東京の中心で税務を叫ぶ 第221回コラム

大家さん
大家さん

利益が出たから、決算前に車を買うべき?

大野
大野
今回は

利益が出たから、決算前に車を買うべき?
についてお話しします!

こんにちは!
「今年は思ったより利益が出そうなんです。
だから決算前に車を買って、
経費で落として節税しようと思うんですが、どうでしょう?」

先日、大家さんからこんなご相談をいただきました。
年末が近づいてくると、実はよくいただく質問です。
利益が出ると「何か買って経費で減らさなきゃ」という気持ちになりますよね。
そのお気持ち、とてもよく分かります。
ただ、ちょっと待ってください。
この「決算前に車を買う」、
実は思ったほど節税にならないうえに、
手元のお金は大きく減ってしまうことがあるんです。
多くの方が「経費で落とす=その年に全額が経費になる」と
思っていらっしゃいますが、
車の場合はそうではありません。
ここで知っておきたいのが
「減価償却(げんかしょうきゃく)」という考え方です。
建物や車のように何年も使うものは、
買った年に全額を経費にするのではなく、
使う年数で分けて少しずつ経費にしていく、
というルールになっています。
車の場合、新車の普通車なら6年かけて経費にしていきます。
具体的に見てみましょう。たとえば300万円の新車を、
決算月である12月に買ったとします。
6年で割ると1年あたり50万円。
さらに、12月に買った場合、
その年に経費にできるのは1か月分だけなので、
およそ4万円ほどにしかなりません。
つまり、300万円を払ったのに、
今年減らせる利益はたった4万円ほど。
税率を30%とすると、
節税できる金額はおよそ1万2000円です。
その一方で、通帳からは300万円がまるごと出ていってしまいます。
「中古車なら償却年数が短いから、
もっと経費にできるのでは?」と思われるかもしれません。
確かに中古車は年数が短くなりますが、
それでも決算間際に買えば同じように月割になり、
その年に落とせるのはわずか数か月分だけ。
結局、決算直前の駆け込みでは効果が薄いことに変わりはないのです。
そもそも節税とは、「経費×税率」の割引にすぎません。
300万円を使って戻ってくる税金は、そのうちの3割ほど。
残りの7割は、確実に手元から消えています。
もちろん、翌年以降に残りが少しずつ経費になっていくので、支払いそのものがムダになるわけではありません。ただ、「今年の節税」を狙った決算前の駆け込み購入は、思ったほど効果がない、ということです。
判断の軸は「節税になるかどうか」ではなく、
「事業に本当に必要かどうか」。
本当に物件の管理や営業で使う車なら、
買えばいいのです。
でも、理由が「節税のため」だけなら、
いったん立ち止まってみてください。
目先の税金を追って現金を減らすよりも、
手元に残るお金(手残り)を一年一年積み上げていくことが、
末永く賃貸経営を続ける一番の土台になります。

まとめ

●車は買った年に全額経費にはならず、
数年に分けて少しずつ経費になります。
決算月に買えば、新車でも中古でもその年の経費は数か月分だけです
●経費はわずかしか増えないのに、
現金は全額出ていくので、
手残りはむしろ減ってしまいます
●「節税になるか」ではなく
「事業に本当に必要か」で判断を。

 

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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