ブログ

リーゼント先生のやさしい相続
第二十一回「三種の神器に相続税はかかるのか?!」

いよいよ新元号も発表され、「平成」から「令和」へと時代が移ることとなります。皇位については地位の承継とともに「皇位とともに伝わる由緒ある物」についても受けることとされていますが、これにかかる相続税などはどうなっているのでしょうか。

本稿では、相続税の非課税の対象となる財産についてまとめていきます。

1. 相続税が非課税とされる財産(非課税財産)

相続税の非課税財産については、財産の性格、社会政策上の観念などを考慮し6つの財産が定められています。よって、相続人などが非課税財産を取得しても当該財産の価額は、相続税の課税対象とならないこととなります。

以下、具体的な財産について触れていきます。

2. 皇室経済法の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

皇位継承とともに皇嗣が継承した物とは、天皇の位とともに受け継ぐ由緒あるものであり、具体的には有名な「三種の神器(八咫鏡、八尺瓊勾玉、天叢雲剣)」などがありますが、これらについては相続税の非課税とされています。
他方で、いわゆる由緒物以外の金融資産は課税対象となることから今上天皇は昭和天皇からの相続に際し、4億円程の相続税の納税をされたそうです。

3. 墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの

墓地、墓石や神棚、神体、神具、仏壇、位牌、仏像、仏具等で日常礼拝の用に供しているものについては、財産の性格上非課税財産とされています。よって、商品、骨董品や投資の対象として所有するものは非課税財産には含まれていません。

因みに、墓地等については相続税の非課税財産とはされていますが、相続開始後に取得したとしても債務控除の対象とはならないので、予め相続開始前に取得をしておくことで節税になるとも考えられます。

4. 公益目的の事業用財産

相続人が、一定の宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行っていた場合に相続又は遺贈により取得した公益目的の事業用財産については、一定の要件を満たすことで相続税の非課税財産とされます。

5. 地方公共団体による心身障害者共済制度の給付金受給権

障害者本人や障害者を扶養する者の給付金受給権については、相続税の非課税財産とされています。

6. 相続人が取得した生命保険金等

被相続人が被保険者であり、かつ、保険料負担者である生命保険金等を法定相続人(民法に規定する相続人)が取得した場合は、「500万円×法定相続人(相続税法に規定する相続人)の数」までは相続税の非課税財産とされています(第19回「確定申告と相続税(生命保険料控除の落とし穴)」をご参照ください。)。

7. 相続人が取得した被相続人の退職手当金等

被相続人の退職手当金等を法定相続人(民法に規定する相続人)が取得した場合も6.の生命保険金等と同様に、「500万円×法定相続人(相続税法に規定する相続人)の数」により算出された金額を限度として、当該退職手当金等については相続税の非課税財産に該当することとなります。

8. 三種の神器に税金はかかるのか?!

1.で確認をしたように、皇位とともに継承される由緒物(三種の神器等)については相続税の非課税財産とされていることから、相続税が課税されることはありません。

しかし、この規定は生前退位を前提としていませんので、存命中の財産の移転については贈与税の課税の問題となります。では、贈与税にこれらの財産を非課税とする規定があるかというと、存在していません。

よって、三種の神器には相続税ではなく贈与税が課税されることとなるのです・・・が、これについては「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の附則第7条(贈与税の非課税等)により、相続税と同様に贈与税を課税しないこととされています。

まとめ

生命保険金や退職手当金については、納税資金にもなるので有効に活用をしたいものです。

ABOUT ME
羽藤徹夫
羽藤徹夫
税理士法人 大石会計事務所所属。 高校卒業後は主にガテン系の肉体労働に従事。体力の限界を感じ、税理士試験の勉強を開始。合格を機に税理士試験の受験専門学校へ転職。大原簿記専門学校で相続税法、法人税法の教鞭をとった経験を元に、相続税をやさしくわかりやすく解説。
さらに詳しく知りたい方へ