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リーゼント先生のやさしい相続
第三十回「やさしい法人税②(当期純利益と所得金額が異なる理由)」

法人税の課税対象となる所得金額はどうやって計算されるのでしょうか。法人税も基本の計算方法は所得税と同様に収入(法人税では、「益金の額」といいます。)から費用(法人税では、「損金の額」といいます。)を控除することで計算されます。

本稿では、前回に引き続き、「やさしい法人税②」として法人税における課税所得金額(会社のもうけとして課税対象となる金額)の考え方や具体的な計算方法についてまとめます。

1. 課税所得金額

法人税の課税所得金額は、「当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額」とされています。具体的な金額は、法人税法では益金の額は基本収益の額とされ、損金の額は基本原価・費用・損失の額とされており、その計算は「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるもの」とされているため、基本的には会社が計算した損益計算書に記載されている税引後当期純利益によることとなっています。

なお、(法人)税務計算上の所得金額を求めるに当たっては会社計算上の収益の額のことを「益金の額」といい、会社計算上の売上原価や販管費、貸倒損失などの原価・費用・損失の額のことを総称して「損金の額」といいます(詳細については、次回以降にまとめていきます。)。

2. 所得金額の具体的な計算方法

⑴ 所得金額の計算方法

具体的な法人税の計算の基となる法人税法上の利益(もうけ)である「所得の金額」はどのようにして求められるのでしょうか。

会社計算上のもうけである「当期純利益」は株主等の利害関係者への報告等のため適正な期間損益計算を目的としています。一方で、税務計算上のもうけである「所得の金額」課税の公平を目的としています。いずれにせよ求めるのは会社のもうけであるため両者の計算はほぼ一致しますが、計算の目的が異なるため取扱いに差異が生じるものもあります。

例えば、会社が負担した交通反則金について会社計算上は経費として費用処理されますが、税務計算上では「損金の額」とすることができません。よって、会社計算と税務計算とでは以下のように計算結果が異なることとなります。

会社計算上の利益に法人税率(仮に30%とします。)を乗じて法人税は求められるのではなく、罰金を計算から除外して求めた所得金額400に対して乗じることとなります。よって、この場合の法人税額は120(400×30%)となるため罰金を加味して計算されている当期純利益に対するもの(300×30%=90)よりも重い金額となります。

⑵ 当期純利益と所得の金額の計算結果が異なる理由

⑴で確認をしたように、罰金などがある場合には当期純利益と所得の金額の計算結果が異なることとなります。これは何故でしょう?

理由は、「課税の公平」にあります。法人税は税金の計算であるため納税者の誰しも納得ができる計算方法を採る必要があります。そのためには、社会規範を守らずに罰金を科せられた場合のもうけが、守っていた場合に比して少なくなるようなことがないようになっています。
よって、上記⑴のような場合には罰金を「損金の額」から除いて計算したものを、所得の金額とすることとしています。

まとめ

・法人税における所得の金額の計算方法は、基本は会社の計算と同様に収益から費用などを控除して求めます。

・法人税では、収益の額を「益金の額」といい、原価・費用・損失の額を総称して「損金の額」といいます。

・所得の金額は基本的には会社の利益計算と同様の金額となりますが、課税の公平などの観点から一定の調整があります。

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羽藤徹夫
羽藤徹夫
税理士法人 大石会計事務所所属。 高校卒業後は主にガテン系の肉体労働に従事。体力の限界を感じ、税理士試験の勉強を開始。合格を機に税理士試験の受験専門学校へ転職。大原簿記専門学校で相続税法、法人税法の教鞭をとった経験を元に、相続税をやさしくわかりやすく解説。
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