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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第八十六回】賃貸経営のプロ廣田 裕司が斬る!③

●廣田が語る!~工事費用について考える~ その3

大家さん兼不動産屋の廣田です。

「工事費用について考える」第3回目をお送りします。

●DIY ~施工費の削減~

簡単な工事であっても、リフォーム会社へ依頼すると、少なくとも2~3万
円の費用が発生します。発生する費用のうち施工費(人件費)の占める割合が
高くなるケースが多いと思います。

リフォーム工事を大家さん自身で実施すれば、施工費分のコストダウンになり
ます。このように自分自身で工事(施工)をすることをDIY(Do It Yourself)
と呼ばれています。

カーテンレールの取替などの軽微な工事だけでなく、クロス工事、塗装工事、
ルームクリーニングなど本格的な工事をやっている大家さんもいます。中には、
3点ユニットの分離工事や間取り変更などの大工工事までやってしまう大家さ
んもいらっしゃいます。

しかし、すべての工事を大家さん自身で出来るわけではなく、電気工事など資
格がないとできない工事もあるので注意が必要です。

工事に必要な材料は、ホームセンターやインターネットで簡単に入手可能で
す。現場での施工方法はインターネット上の動画などで数多く紹介されていま
す。DIYによるリフォーム工事は、簡単に始められる環境にあると思います。

しかし、大家さんがリフォームするお部屋は、自分で使う部屋ではなく、入居
者さんに住んでいただく部屋、つまり商品なので、入居者さんに満足して頂け
る程度の工事品質の確保が必要です。

自分自身で施工するので、実際に、お金の支払いは発生しませんが、自分の時
間を投入しているので、厳密には“コストゼロ”ではありません。

また、工事を始めるにあたって、工事用の道具が必要になり、この道具を購入
する費用もコストの内です。DIYでリフォーム工事を実施する場合は、このあた
りのコストが発生していることも考慮して検討する必要があります。

●DIY賃貸

部屋を自分好みに改造して住みたいという人が増えているようです。

一方 従来の賃貸住宅では、退去時の原状回復義務の関係で、入居者さんが借り
ている部屋を自分好みに改造することは難しい状況でした。

ところが、最近は部屋を入居者さんの好みに合わせて改造することができる賃
貸住宅が提供されるようになってきました。このような賃貸住宅や賃貸契約をDI
Y型賃貸借と定義され、DIY型賃貸借に関するガイドブックや契約事例が国土交通
省のホームページに掲載されています。

DIY型賃貸借については、次の国土交通省のホームページを見てください。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000046.html

DIY型賃貸借では、リフォーム工事の費用を誰が負担するか、原状回復義務の有無、
に関しては、個別の契約によります。契約によっては、リフォーム費用を入居者
さんに負担してもらえる可能性があります。

この場合、家賃を通常よりも下げる一般的なので、単純に工事費用の負担がなくな
るだけでなく、家賃が下がることも考慮して判断する必要があります。

ABOUT ME
廣田裕司
〇空室相談、賃貸経営全般 有限会社丸金商事 取締役 合同会社アップ 代表社員 大学卒業後、メーカーに勤務、主に土木、建築資材営業 生産管理を経験。2001年に妻の実家の賃貸事業をベースに、有限会社丸金商事を設立。同社の取締役に就任し、(当時は兼業)賃貸経営の関わるようになる。2008年に相続により同社代表取締役に就任。翌2009年の会社を退職し専業となる。現在までに3回 新築物件(6棟、27戸)を手がけ、12棟90戸所有。2019年合同会社アップ設立。
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