『すまいに求める条件の変化』
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
前回は、グリーン住宅ポイント制度の概要について解説しました。
※2021年12月15日にて、ポイント発行申請の受付を終了しました。
今後のすまい方を検討しながら考察していきます。
◆ポストコロナの新時代での新しいすまい方
グリーン住宅ポイント交換の対象となる追加工事の内容は、
「新たな日常」に資する追加工事、 もしくは防災に資する追加工事に該当する工事となります。
・「新たな日常」に資する追加工事
○ワークスペース設置
○音環境向上工事
○空気環境向上工事
○菌・ウイルス拡散防止工事
○家事負担軽減に資する工事
・防災に資する追加工事
○停電・断水対策
○水害・台風対策
○地震対策(躯体に関する耐震対策を除く)
衣食住から「居食住」という言葉も出てきました。
ただ、寝起きするだけの場所ではない、「居場所」に価値を求めるという考え方です。
テレワークがしやすいからといって 全員が郊外に住みたいと思っているわけではありませんし、
収入が減ったからといって家賃を低く抑えたいと思っているわけでもありません。
ちょっとしたスペースにワークスペースや手洗いコーナーを設けるだけで、 暮らし方は変わります。
◆重要視する設備の変化
~「この設備があれば周囲相場より家賃が高くても決まる」設備ランキング~
単身者向け物件
1.インターネット無料
2.エントランスのオートロック
3.宅配ボックス
4.浴室換気乾燥機
5.ホームセキュリティ
6.独立洗面台
7.24時間利用可能ゴミ置き場
8.システムキッチン
9.TVモニター付きインターホン
10.エレベーター
ファミリー向け物件
1.インターネット無料
2.宅配ボックス
3.エントランスのオートロック
4.追い炊き機能
5.システムキッチン
6.ホームセキュリティ
7.浴室換気乾燥機
8.防犯カメラ
9.ウォークインクローゼット
10.24時間利用可能ゴミ置き場
※全国賃貸住宅新聞調べ:全国の不動産会社372社が回答
8位以下の項目がコロナ禍での新しい変化です。
家で料理をする機会が増え、キッチンの使い勝手を重要視するようになったり、
家にいる時間が長い為、近所の不審者が気になる等が挙げられます。
より「快適性」が重視される傾向にあり、「防犯性」のニーズも高まっていることがわかります。
◆ニーズに応える付加価値の提案
家にいる時間が増え、今まで気にしていなかった部分が気になるものです。
それはチャンスと言えます。
ターゲット層に効果的にアプローチできる間取りや設備の導入を 検討してみてはいかがでしょうか。
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復をめざして、
一定の省エネ性能を有する住宅(持家・貸家)の新築やリフォームに対して
ポイントを付与する制度「グリーン住宅ポイント制度」が創設されました。
※2021年12月15日にて、ポイント発行申請の受付を終了しました。
◆グリーン住宅ポイント制度とは?
一定の省エネ性能等を有する住宅の新築やリフォームを行う場合、または一定の要件等を
満たす既存住宅の購入を行う場合にポイントが発行され、追加工事等に交換できる制度です。
○貸家新築は10万円相当×総戸数のポイントを付与。
〇リフォームは戸当たり最大30万円のポイントを付与。
○上記ポイントは追加工事に利用可能。
改正建築物省エネ法が4月から施行されることもあり、
エネルギーを効率よく使い、環境にもお財布にもやさしい「省エネ」な
住宅であることが今後求められてきます。
◆ポイント発行対象の住宅とは?
貸家の新築の場合、2戸以上の住宅を有することや
一戸当たりの床面積40㎡以上であること、
住宅トップランナー制度をクリアしていること等の条件があります。
床面積が40㎡以上となると、
単身用では足りない可能性がありますので、
ファミリータイプのマンションが対象といえるでしょう。
リフォームの場合は、エコ住宅設備の設置、
開口部や躯体の断熱改修のいずれかと、
バリアフリー改修、耐震改修やリフォーム瑕疵保険等への加入を
合わせて申請可能です。
◆発行されたポイントは追加工事と交換、付加価値の創造へ
貸家の場合、取得したポイントは追加工事との交換になります。
追加工事の内容についても条件があり、
「新たな日常」に資する追加工事、
もしくは防災に資する追加工事に該当する工事が対象となります。
付与されるポイントはキャッシュバックではありませんが、
コロナ禍の影響を感じる追加工事が交換できるとなると、
付加価値提案に活用できそうです。