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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第356回】
 二代目大家の小宮 哲朗が語る  ③

「不動産『買いたい病』にならないための処方箋」

みなさまこんにちは。今月は二代目大家の小宮 哲朗より
「不動産『買いたい病』にならないための処方箋」と題して、
4回に分けてお送りいたします。

第3回目は「不動産以外の投資に目を向ける」です。

前回からの繰り返しになりますが、
不動産価格高騰の状況下での物件購入はより慎重になる必要があります。
不動産投資で失敗する原因のほとんどが「高値掴み」であり、
一度購入すると出口、リカバリーが非常に困難になるからです。
大家さんは資産のポートフォリオが不動産中心になりますが、
資産運用全体で考えた場合、他の投資を検討してもよいでしょう。
今回は「あえて」不動産以外の目を向け、
大家さんが同時並行で行っている代表的な投資についてご紹介します。

1.太陽光発電
不動産投資と比較的似ている点も多く、
大家さんで行っている方が多い代表格が太陽光発電投資です。
不動産と異なり空室という概念が無いため、
太陽が無くなるか電力が止められない限りは収入がゼロになるリスクがありません。
一方で毎月固定の家賃収入が入ってくる不動産と異なり、
天候によって収入が変動するのが特徴です。ただ年々電力の買取単価が下がっており、
利回りも低くなっているため、投資としての魅力もだいぶ下がってきているのが実状です。
もし投資するのであれば注意していただきたいことは2点あります。
まず一つ目は「不動産同様、実績のある安定した業者を選ぶ」ことです。
怪しい業者を選ぶと発電設備の建築、管理で後々トラブルになる可能性があります。
二つ目は「土地は所有ではなく借地で行う」ことです。
太陽光発電設備が建築される土地は
宅地として価値を見いだせない田舎の立地が非常に良くない場所が多く、
土地を所有してしまうと将来的な出口売却で手放すことが困難になってしまうためです。
借地だと地主さんに地代を支払う必要がありますが、
一般的には年間で10万円前後のケースが多く、
それほど重荷にもなりません。
5~10年以内の期間であれば、比較的安定した投資といえるでしょう。

2.コインランドリー
こちらも大家さんで行っている方が多い投資の一つです。
コインランドリーは初期投資で物件調達コスト(購入or賃貸)と設備導入(洗濯乾燥機など)がありますが、
後者の設備導入費用が初年度に一括償却できる税制があり、
節税商品として一気に流行った時期がありました。
しかし本年令和5年の4月1日の税制改正により、
この節税スキームに規制が入りました(詳細は「中小企業経営強化税制 コインランドリー」で検索ください)。
近年コインランドリー自体は仕事の忙しい単身者、
共働き世帯を中心に非常に需要は高まっていますが、
実際の運営で安定したキャッシュフローを得るには様々なハードルがあります。
要因は洗濯乾燥機などの初期投資が高額なうえ顧客を安定的に多く呼び込まないと稼働率が安定しない点や、
洗濯乾燥機・物件の中古市場の間口が狭いことから、
一度事業を開始すると撤退が難しく、
撤退するとしても莫大なコストがかかる点です。
よって個人的にはおすすめしていませんが、
既に土地・建物を所有していて物件調達コストがかからない方であれば、
比較的キャッシュフローが出やすいため検討の余地があるでしょう。
ただし立地の良い場所でないと経営は苦しくなりますので注意が必要です。

3.不動産小口化商品
最近「不動産クラウドファンディング」など、
不動産小口化商品は少額から始められる不動産投資商品として注目を集めています。
具体的には数十億単位の高額な都心のオフィスビルなど、
単独で購入することが難しい好立地物件を1口100万円~1,000万円程度に細分化し、
小口化商品として投資家に販売します。
当該物件から得られた賃貸収入や収益は、
出資の割合に応じて投資家へ分配されます。
現物の不動産投資との違い、
管理・運営を全て運営会社へ委託するため手間がかかりませんが、
複数の投資家がいるため売却タイミングを一個人で決定できないという違いがあります。
代表的なメリット・デメリットは下記の通りです。

<メリット>
・好立地の物件に少額から投資できる
・相続対策として活用できる
・管理の手間がかからない

<デメリット>
・元本保証、賃料収入の保証がない
(実物不動産投資のようなサブリース制度はない)
・実物不動産投資と比較すると利回りが低くなる傾向がある
・商品によっては中途解約できない場合がある
(運用期間中は所有しなければならない)
・融資が使えないため自己資金が必要

4.株式、投資信託
賃貸経営のように自己努力でキャッシュフローを
コントロールすることはできませんが、
流動性の高さ(換金性の良さ)が不動産投資との違いです。
万が一意図しない相場に触れてもすぐに売却できます。
最近はiDeCoやNISAを活用する方も増えていますが、
これらで長期的に積立投資をしておき、
いざ物件購入できるタイミングが来たときに
監禁して自己資金に充てるという手法もあるでしょう。

5.FX、稼働通貨
価格の変動が激しく、
一攫千金を狙える一方で大きな損失を背負う可能性もある
「ハイリスク・ハイリターン」の投資となります。
基本手にはおすすめしていませんが、
潤沢な余剰資金があり、
ある程度リスクをとれるのであれば検討してもよいかと思います。

いかがでしょうか。
不動産が資産運用の中心となると、
どうしても不動産だけにこだわってしまい、
他の投資を活用するという選択肢は考えづらいかもしれません。
これを機に不動産投資を資産運用全体から捉え直し、
他の投資にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
小宮 哲朗
小宮 哲朗(こみや てつろう) エターナルフィナンシャルグループ IFA事業部長 ◆保有資格 CPM(認定不動産経営管理士)、宅地建物取引士、AFP、 証券外務員二種 ◆経歴◆ IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)、 不動産コンサルタント、二代目大家。 不動産投資は2012年にサラリーマン大家として開始。 実家が個人の地主系大家のため、 相続対策として法人化を実行し現在に至る。 サラリーマン時代は不動産ポータルサイト「HOMES」の 運営会社でエンジニアを勤め、不動産会社向けシステムの開発に従事。 現在は不動産、金融両方に精通したIFAとしてコンサルティングに従事。
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