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「そもそも見積耐用年数って何?」
東京の中心で税務を叫ぶ 第49回コラム

そもそも見積耐用年数って何?

こんにちは!

耐用年数とは、建物を減価償却する際に、何年で償却するか、その償却年数のことですね。

通常は、法定耐用年数と言って、法律で細かく決められています。

たとえば、建物でもRCなら47年、木造なら22年など…

大家さん
大家さん
聞いたことあるけど中古の場合はどうなるの?
大野
大野
中古の場合も計算方法が決められています!

中古の建物の場合はどうなる?

 

 

通常は、簡便法という計算方法で計算した中古の耐用年数を使用できます。

法定耐用年数-(経過年数×0.8)=中古の耐用年数(1年未満切捨、最短2年)

 

経過年数が法定耐用年数を超えている場合には、次の算式になります。

法定耐用年数×0.2=中古の耐用年数(1年未満切捨、最短2年)

なので、木造の場合は、22年×0.2=4年となります。

 

簡便法のほかに、見積法という方法もあります。
この方法は、使用可能期間として見積った年数が耐用年数になりますので、使用可能期間として妥当であれば、何年でもいいことになります。

ただし、税務署に後から否認されないように根拠ある年数でなければなりません。

 

税金が増えれば税務署から否認されない?

ここでこんな質問を受けました。

大家さん
大家さん
木造の場合は、簡便法で4年ですが、見積法で10年として償却できますか?
耐用年数が長くなれば、1年あたりの減価償却費が小さくなり税金が増えるので、税務署から否認されないですよね?

ここで思い出していただきたいのが、前回お話しした下記の図です。
前回のコラムはこちら

 

結局、税金は減ってしまう

減価償却は、図のように、保有時と売却時でオモテウラの関係になっています。
物件保有時に減価償却で経費にした金額は、売却時には譲渡益になり譲渡税がかかります。

ということは、保有時の減価償却が少ない場合は、下記になります。

保有時の減価償却が少ない=売却時の譲渡益が少ない=譲渡税が少ない

この売却時の譲渡税が少ない点を税務署から問題視される恐れがあります。

 

まとめ

①中古の建物の耐用年数は、簡便法と見積法を使用できる。
②耐用年数を見積もる際は、自分で決めることはリスクがあります。不動産鑑定士などに鑑定してもらい、鑑定書や意見書などの証拠を残しておきましょう。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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