東京の中心で税務を叫ぶ 第103回コラム
自宅の売却で3,000万円控除をとるときの注意点は?
自宅の売却で3,000万円控除をとるときの注意点は?
こんにちは!
今回は、自宅の売却を考えている方からご相談を頂いたので回答いたします。
Q
自宅の売却を考えています。
私が3/4、妻が1/4ずつ共有しています。
売却益に対して3,000万円まで税金がかからないと聞きましたが、
共有の場合は2人とも使えるのでしょうか?
また、現在の自宅は住宅ローン控除を受けていますが、
売却後は新しい家を買い、また住宅ローン控除を受けたいと考えていますが、
適用できますか?
A
◯共有の場合3,000万円控除は2人とも使えるか?
自宅を売ったときは、所有期間の長さに関係なく、
譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。
この特例は、共有者全員で3,000万円ではなく、
共有者一人ひとりが3,000万円ずつ控除できます。
例えば、ご本人の譲渡所得が6,000万円、
奥様の譲渡所得が2,000万円だった場合、
ご本人:6,000万円-3,000万円=3,000万円
奥様:2,000万円-3,000万円<0 ⇒0円
なお、奥様が使い切れなかった控除額を、
旦那様から差し引くことはできません。
また、奥様のように3,000万円控除すると所得がゼロになるケースでも、
確定申告しないとこの制度の適用は受けられませんのでご注意下さい。
◯住宅ローン控除と併用できるか?
売却する自宅について、前年まで住宅ローン控除の適用を受けていた場合でも、
売却した年は住宅ローン控除は適用できません。
住宅ローン控除は、12月31日まで居住していることが要件のため、
年の途中で売却したものには適用できないのです。
また、売却後に新規に購入する自宅については、
すぐには住宅ローン控除を適用できません。
住宅ローン控除は、居住した年、その前年、その前々年の計3年間に、
3,000万円控除などの譲渡所得に関する特例の適用を受けていると
適用できないことになっています。
例えば、令和6年に自宅を売却して3,000万円控除の適用を受けた場合、
新規に購入する自宅は、
令和9年までは住宅ローン控除は適用できないことになるのでご注意ください。
3,000万円控除を使った場合の節税額と、
3,000万円控除を使わずに新規の自宅で住宅ローン控除を適用した場合の
節税額を比較して、
どちらが得になるかシミュレーションしてみるのがよいでしょう。
まとめ
①3,000万円控除は、共有ならそれぞれ使える
②3,000万円控除を使うと、3年後まで住宅ローン控除は使えなくなる。
大野税理士の他のブログはこちらから
楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。