東京の中心で税務を叫ぶ 第228回コラム
赤字を避けるために資産計上できるもの5選
赤字を避けるために資産計上できるもの5選
についてお話しします!
こんにちは!
「今年アパートを買ったら、
登記費用や不動産取得税がかさんで、
決算が赤字になりそうなんです。
でも来年もう1棟増やしたくて、
赤字の決算書だと融資に響くと聞きました。
何とかならないでしょうか?」
先日、大家さんからこんなご相談をいただきました。
なお今回は、法人化して賃貸経営をされている
大家さん(法人大家さん)を前提にお話しします。
物件を買った年は、一度きりの費用が一気にかかって、
利益がへこみやすいものです。
今回は、そんなときに知っておきたい
「あえて資産計上して、赤字を避ける」という考え方と、
その対象になるものをリストでご紹介します。
まず「資産計上(しさんけいじょう)」とは何かを、簡単に説明します。
支払ったお金を、その年にまとめて経費にするのではなく、
いったん「資産」として計上し、
数年に分けて、または後々に経費にしていくことをいいます。
今年の経費が減るぶん、
利益が残り、赤字を避けやすくなる、
というわけです。
反対に、なんでも「経費で落とす」と、
今年の利益は減ります。
税金は下がりますが、
決算書は赤字になりやすく、
融資には不利にはたらきます。
つまり、経費にするか資産計上するかは、
「節税を優先するか、融資を優先するか」の
選択でもあるのです。
それでは、赤字を避けたいときに
資産計上を選べる主なものを見ていきましょう。
1. 登録免許税・不動産取得税
物件を買ったときにかかるこれらの税金は、
その年の経費にすることも、
物件の取得価額(買った値段)に
含めて資産計上することも選べます。
資産計上すれば、今年の経費が減り、
利益を守れます。
2. 物件購入時に登記をお願いした司法書士への報酬
これも、経費にするか、
取得価額に含めて資産計上するかを選べます。
3. エアコンや給湯器などの少額の設備
30万円未満
(中小企業向けの特例。改正で40万円未満に広がりました)
の設備は、特例を使えば買った年に全額を経費にできます。
ですが、あえてこの特例を使わず、
通常どおり数年に分けて減価償却する
(=資産計上する)ことも選べます。
赤字を避けたい年は、こちらが有効です。
4. 20万円未満の資産
20万円未満のものは、
「一括償却資産」として3年に分けて均等に経費にできます。
一度に経費にするより、今年の利益への影響をやわらげられます。
5. 開業費
法人を作ったときの準備費用などは、
「繰延資産(くりのべしさん)」として資産計上でき、
いつ経費にするかを自分で決められます。
赤字の年は経費にせず、利益が出た年にまわす、
という調整ができます。
なお、経費にしても資産計上しても、
出ていく現金は同じです。
つまり、どちらを選んでも手残りは変わりません。
変わるのは「今年の税金」と「決算書の見え方」だけです。
だからこそ、大切なのは目的をはっきりさせることです。
今年の税金を抑えたい(節税)のか、
それとも利益を残して来年の融資に備えたい
(融資)のか。その目的によって、
経費にするか資産計上するかを判断しましょう。
●「資産計上」を選ぶと、今年の経費が減って利益が残り、
赤字を避けやすくなります
●不動産取得税・登録免許税・登記費用・少額の設備・
開業費などは、経費にするか資産計上するかを選べます
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。





