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社長が亡くなると、合同会社は消えます〜定款の一文で防げる話〜

東京の中心で税務を叫ぶ 第229回コラム

大家さん
大家さん

社長が亡くなると、合同会社は消える?

大野
大野
今回は
社長が亡くなると、合同会社は消えます〜定款の一文で防げる話〜
についてお話しします!

こんにちは!

合同会社は、定款(会社の基本ルールブック)を自分で簡単に作れる
——これが人気の理由のひとつですよね。
でもこの「簡単に作れる」が、
実は大きな落とし穴になることをご存じでしょうか?
今日は、社員が亡くなると会社そのものが消えてしまうという、
意外な落とし穴のお話です。

株式会社と合同会社、「相続」の扱いが根本的に違う
まず、株式会社と合同会社の違いから見てみましょう。

株式会社の株式は、
社長が亡くなれば、
そのまま相続人に引き継がれます。
株はモノ(財産)なので、
当然のこととして相続の対象になるわけです。

ところが合同会社の持分は違います。
社員が亡くなると、
原則として「退社」扱いになり、
持分そのものは相続されません。
相続人が引き継ぐのは、
「その価値を現金でもらう権利(払戻請求権)」
だけなんです。

「え、持分は相続できないの?」—
—ここが盲点なんです。

なぜ「退社」になるのか?
会社法607条というルールがあり、
合同会社では社員が亡くなると原則として
自動的に退社することになっています。

そして、退社した社員(の相続人)は、
会社に対して「持分を現金で買い取ってください」と
請求できる——これを払戻請求権といいます。

株式会社の株式のように「モノ」として引き継がれるのではなく、
「お金で精算される権利」に姿を変える、というイメージですね。

社員が一人だけの合同会社は、
社長の死とともに消える
さて、ここからが本題です。

大家さんの合同会社は、
社員(出資者)が一人だけというケースがとても多いんです。
実は、この形が一番危ないんです。

社員が一人しかいない合同会社の社長が亡くなると、
どうなるか? 自動退社によって、
社員がゼロになります。ところが会社法641条は、
社員がゼロになった合同会社は解散すると定めています。

つまり、社長が亡くなった瞬間、
会社は解散に向かうんです。
相続人が事業を続けたくても、
新たに会社を作って物件を移すしかなく、
その移転には登録免許税・不動産取得税がずしりとかかります
相続対策のつもりが、
思わぬ費用と手間が発生してしまう、というわけです。

定款の一文で防げます
救いはあります。会社法608条は、
定款に「相続人が持分を承継する」と定めておけば、
自動退社を防げる、と規定しています。

つまり、この一文が定款に入っていれば、
合同会社の持分も株式会社の株式と同じように、
そのまま相続人に引き継がれる、ということです。

ところが冒頭でも触れた通り、
「簡単に作れる」からこそ、
ネット上のひな形やテンプレートで作った定款には、
この一文が入っていないことがほとんどなんです。
大事なポイントが抜け落ちやすい。

合同会社は「作るとき」が勝負
合同会社の落とし穴は、
いずれも設立時の定款設計で防げるものが多いんです。
持分の贈与、議決権、配当、そして今回の相続。
すべて定款に一文入れておけば済む話が、
後から気づいてもどうにもならなくなる。

すでに合同会社をお持ちの大家さんは、
ぜひ今すぐご自身の定款を確認してみてください。
「相続人が持分を承継する」旨の記載がなければ、
社員全員の同意で定款を変更できます。

余計な税負担や物件処分から手残りを守るためにも、
この機会にぜひ点検を。

まとめ

1.合同会社の社員が亡くなると、
原則として自動退社となり、持分は相続されない
2.社員が一人だけの合同会社は、
社長の死で会社そのものが解散する(会社法641条)
3.定款に「相続人が持分を承継する」
の一文を入れておけば防げる。すぐに定款の確認を

 

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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