東京の中心で税務を叫ぶ 第58回コラム
そもそも無議決権株式って何?
こんにちは!
今回は無議決権株式の活用についてお話したいと思います。
無議決権株式とは?
無議決権株式とは、その名のとおり、議決権のない株式です。
会社の意思決定をするときは、通常は多数決を行いますが、そのときの投票権のことを議決権といいます。
株式会社は、原則として1株につき、議決権1個です。
その会社の株式(議決権)をたくさん持っている株主の発言権が強くなり、会社をコントロールできることになります。
相続対策として法人化する際に、株主を誰にするかで悩みますよね?
株主が自分だと、その株式が相続財産になってしまうので、子供など相続人を株主にした方が法人化の効果が大きくなります。
無議決権株式を有効活用した具体例
例えば、相続人が子供2人だったケースで考えてみましょう。
物件が1つで、その物件を所有する法人を設立する場合、兄弟2人に平等に財産を渡したいので、50%ずつ株式を持ってもらいたいと思うことがあると思います。
ただ、実際に賃貸経営を行うとなると、兄弟のうちどちらか1人が行動し、もう1人は何もしないケースがよくあります。
この場合、議決権も50%ずつにしてしまうと、何もしていない方の子も経営に口出しができるため、意思決定がうまくいかなくなる可能性があります。
そこで、賃貸経営を引き継ぐ子の株式にだけ議決権を付けて、もう1人の子には、議決権のない無議決権株式を持たせる方法があります。
こうすれば、財産は平等に分けたうえで、賃貸経営を1人の子に引き継ぐことができます。(議決権のある株式と議決権のない株式は、原則として相続税の評価額は同じです。)
まとめ
①会社設立時に、定款に議決権の有無(株式の種類)を定める必要があります。
②事前に家族間で話し合いをしてから決めるようにしましょう。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。