東京の中心で税務を叫ぶ 第74回コラム
そもそも法人化と消費税のただならぬ関係って何?
そもそも法人化と消費税のただならぬ関係って何?
どういう事か、お話します。
こんにちは!
今回は法人化と消費税の関係についてお話したいと思います。
法人化にはいくつか方法がありますが、今回は「所有型法人」ついてお話します。
「所有型法人」とは、建物のみ又は土地・建物を法人名義に移転し、
個人の収入になっていた賃料収入を法人に移転させる方式です。
所有型法人では、家賃収入をすべて法人が受け取ることが可能となり、
個人の所得を減らすことができます。
建物のみ所有する「建物所有法人」を例にとると、下記のような流れになります。
①オーナーが建物所有会社を設立する
②オーナーが所有している建物を建物所有会社に売却する
③建物所有会社が入居者と賃貸契約を結ぶ
④入居者は建物所有会社に家賃を払う
⑤建物所有会社は土地の地代をオーナーに払う
では、どこで消費税が関係してくるでしょうか?
一見すると関係ないようですが、実は②の建物売却時に消費税が関係してきます。
以前お話しましたが、土地の売却代金は非課税ですが、建物の売却代金は課税売上です。
オーナーが課税事業者の年に法人に建物を売却すると、
消費税の納税が発生してしまいます。
売買契約書に消費税の記載がなかったとしても、
売買代金に消費税が含まれているとみなされてしまいます。
法人化のタイミングを考える際には、
課税事業者になっているかどうかも判断基準になると思います。
また、インボイス登録すると常に課税事業者となりますので、
消費税を負担したとしても法人化のメリットがあるかを試算して、
法人化を検討する必要があります。
まとめ
①課税事業者が法人化により建物を法人に移転する場合、
消費税の納税が発生します。
②インボイス登録した場合、法人化の判断には
消費税負担も考慮しましょう。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。